9日に新型コロナウイルス感染が確認された青森市の開業医の60代男性は、8日に学校医を務める市内の県立高校で健診に携わり、生徒350人を診察していた。同校校長は10日、東奥日報の取材に応じ「濃厚接触者ではないのに、生徒たちがコロナに感染しているのではないかという目で見られるのが一番心配」と緊張感をにじませた。

 校長によると、9日に感染が判明した青森市の感染者が健診で同校を訪れた医師ではないか-との情報が入ったことから、同日夜のうちに青森市保健所に問い合わせた。

 市保健所が、同校が説明した健診の実施状況から、診察を受けた生徒が濃厚接触者には当たらない-との見解を示したため、校長は10日を通常通りの登校日とする判断をした。

 同校は10日午前、緊急の職員会議を開いた。教頭が校内放送で、各クラスに待機させた全校生徒に状況を説明。保護者宛ての文書も生徒に渡した。

 校長は「生徒たちがコロナに感染しているんじゃないかという目で見られたり、保護者たちが職場でつらい思いをしたりするのが一番心配」と気をもむ。

 業者が同校への出入りを避けたケースもあったと明かし、「今は進路や求人関係(の来訪者)もある。まだまだ影響が懸念される。これがコロナ禍の怖いところ」と外部対応への苦渋をにじませた。

 同校のある男子生徒は取材に「驚いたが(医師が)マスクなどで感染予防対策をしていたから大丈夫と説明があった。校内に混乱はなかった」と語った。

 この生徒は、今月末には県高校総体の代替大会も控えている。9日から市内で感染者判明が相次いでいるが、「せっかく開催が決まった大会。中止にならないでほしい」と願っていた。

 この生徒の母親は、10日夕から飲食店での仕事があったが、経営者から、当面は店に来ないようにと言われた。母親は「お客さん相手の仕事なので仕方ない」と話した。