青森市で新型コロナウイルス感染確認が相次いだことを受け、関東方面との往来を「とりわけ慎重に判断して」と呼び掛ける小野寺市長

 青森市は10日、同市で20代接客業女性=茨城県=の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。青森県内の感染者は29人目、同市で5人目となる。県内のコロナ感染者は5月7日以来、約2カ月間出ていなかったが、前日の開業医の60代男性に続く発生で、ともに都内滞在歴があった。現在、県外との移動制限が解除されていることから今後の感染拡大も懸念される。この日は米軍三沢基地にチャーター機で到着した軍関係者1人の感染も判明した。

 青森市によると、同市で5人目の感染者となった20代接客業女性は3日、茨城県から高速バスで東京に移動し、新宿・歌舞伎町のホストクラブを利用。4日には東北新幹線で青森市に移動し、同日から8日まで5日間、デリバリーヘルス(派遣型風俗店)の仕事を行った。9日朝に38.0度の発熱があったため、帰国者・接触者外来を受診。県環境保健センターによるPCR検査で陽性が判明した。

 女性は市保健所の調査に対し、5日間で30人程度の接客をしたと説明しており、いずれの客も濃厚接触者とみられる。10日時点で客と連絡が取れない状況が続いており、感染経路不明者が出てくる恐れもある。

 女性は市内の宿泊施設に宿泊していたが、10日中に感染症指定医療機関に入院。同僚5人と仕事をしていたが、5人の行動歴などは不明という。

 小野寺晃彦市長は10日の会見で「(接客相手や同僚を)濃厚接触者として検査する必要があるが、接客相手を特定するのは非常に難しい。感染経路不明者の発生を危惧しており、心当たりのある人は帰国者・接触者相談センターに連絡してほしい」と呼び掛けた。

 同市では、9日にも開業医の新型コロナウイルス感染が確認され、受診者590人の健康観察を行う必要性が生じている。市は多数の健康観察と感染経路不明者の特定を同時に進めるため、前多正博副市長を本部長とする「現地危機対策本部」を市保健所内に設置し、対応を強化する方針。

 小野寺市長は市民に対し「今回の発生事例に類する接客を伴う夜間営業店舗の利用を控えるなど、冷静な行動を」と要請。関東方面への移動については「とりわけ慎重に判断してほしい」と述べた。

▼青森・感染開業医 診察時に防護具着用/娘の夫 職場に患者

 青森市で9日に新型コロナウイルスの感染が確認された開業医の60代男性について市は10日、濃厚接触者に当たる娘の夫の会社で感染者が出ていたと明らかにした。

 市によると、開業医男性と妻は3日に上京し、4日に娘夫婦と会食。5日に青森市へ戻った。移動中は基本的にマスクを着けていたという。娘の夫の会社で感染者が発生したこともあり、9日までにPCR検査を受け、陰性と判明した。娘も同検査を受けたが、結果は確認中。

 男性は6~9日、自身が営む医療機関で240人を診察。8日には校医を務める市内の県立高校で生徒350人を健診している。診察の際は、マスク、手袋、フェースシールドを身に着けていた。

 男性の医療機関で働くスタッフ8人は防護措置をしていたため、濃厚接触者には該当しないとされているが、市はPCR検査を10日に実施。男性の濃厚接触者である妻と知人も同検査を受けており、結果は11日に判明する。男性の医療機関は10日から休診している。

 市によると、同日午前時点で男性は微熱と喉の違和感が続いているものの、重症化していないという。