ふさふさの毛、つぶらな目、愛きょうたっぷりのしぐさ。不細工だけどかわいい「ブサかわ犬」として全国的な人気を集めた鯵ケ沢町の秋田犬「わさお」が8日午後、天国へ旅立ちました。推定(すいてい)13歳(さい)で、人間でいうと90代前半にあたるそうです。
わさおは4月から足腰(あしこし)が弱り、立ち上がれない状態(じょうたい)が続いていました。飼(か)い主の菊谷(きくや)忠光(ただみつ)さん(55)は取材に「わさおには頑張(がんば)ってもらった。一緒(いっしょ)に過(す)ごせた時間は誇(ほこ)り」と話しました。
わさおは生後5、6カ月だった2007年秋、鯵ケ沢町の海の駅「わんど」周辺で迷(まよ)っていたところを、イカ焼き店の店主だった、忠光さんの母・節子(せつこ)さんに保護(ほご)されました。
08年、イカ焼き店を訪(おとず)れた女性(じょせい)にブログで取り上げられ、「ブサかわいい」と一躍(いちやく)有名に。09年には町特別住民に登録され、町特別観光大使や日本ユネスコ協会連盟(れんめい)の世界自然遺産(いさん)特別大使“犬”(ワンバサダー)、JR鯵ケ沢駅観光駅長なども務(つと)めました。写真集や半生をテーマにした映画(えいが)も作られるなど話題を集め、「JuniJuni」でも愛くるしい姿(すがた)を見せてくれました。
お嫁(よめ)さんの「つばき」、“娘(むすめ)”の「ちょめ」と家族も増(ふ)えましたが、17年に節子さんが亡(な)くなり、昨年5月にはつばきが急死。それでもわさおは、イベントなどで元気な姿を見せていました。
多くの人に愛され、多くの人を癒(い)やしてくれたわさお。今ごろは大好きな節子さんやつばきと、天国で再会(さいかい)して喜(よろこ)んでいるかもしれませんね。