詩人・谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)さんによる講演会(こうえんかい)「谷川俊太郎さんと、森で。」が今月、青森市浪岡の王余魚沢(かれいざわ)倶楽部(くらぶ)の森(グリーンパークなみおか)で開かれました。会場はセミの鳴き声や川のせせらぎが響(ひび)く森の中。小中学生10人による自作詩の朗読(ろうどく)もあり、谷川さんが一人一人にメッセージを送りました。
子どもたちに詩と森の魅力を知ってほしいと、NPO法人ういむい未来の里CSO(小山内誠理事長)が主催(しゅさい)。学校の教科書にも登場する谷川さんを招(まね)き、三沢市の寺山修司(てらやましゅうじ)記念館の佐々木英明(ささきえいめい)館長が進行役になって話を聞きました。
高校生の時、友達に誘(さそ)われて詩を書き始めた谷川さん。「詩には自己表現(じこひょうげん)と他者を楽しませるという二つの面がある」と話します。
詩の特性(とくせい)は「耳、鼻、目、全部解放(かいほう)して、においや音を感じながら書くこと」と言い、うまく書くコツを問われると「真面目(まじめ)に一生懸命(けんめい)生きていればいいんじゃない」とおおらかに語りました。
講演会に先立ち、同団体(だんたい)は県内の小中学生から「森」をテーマに詩を募集(ぼしゅう)。約1200編(ぺん)から選ばれた優秀(ゆうしゅう)作(さく)10点の作者が、谷川さんや約400人の聴衆(ちょうしゅう)の前で詩を発表しました。
子どもたちは緊張(きんちょう)しながらも気持ちを込(こ)めて作品を披露(ひろう)。谷川さんは「音がおもしろい」「擬音語(ぎおんご)が多彩(たさい)ですね」と声を掛(か)けていました。
発表を終え、同市戸山中学校1年の平澤葵(ひらさわあおい)さんは「谷川さんは尊敬(そんけい)する人で詩集も持っている。直接講評(ちょくせつこうひょう)をもらえてうれしい」と笑顔(えがお)。同市堤(つつみ)小学校3年の水尻篤宏(みずしりあつひろ)君は「いっぱい詩や絵本を書いているすごい人だけど、優(やさ)しそうな人だった」と話していました。