青森県は1日、新型コロナウイルス感染症で県内の医療機関に入院していた患者1人が5月30日に退院し、県内のコロナ入院患者が3月下旬の初発以来、初めてゼロになったと発表した。この間約2カ月の県内の感染者は27人で、5月8日以降、新たな感染者は出ていない。今月1日現在、25日連続で新規感染ゼロとなっている。県は封じ込めができたと評価する一方、感染拡大の第2波、第3波に備え、引き続き医療体制の整備に力を入れる。

 県健康福祉部の有賀玲子部長は「県内に入院患者がいなくなったが、警戒を緩めるわけにはいかない。感染拡大防止へ、引き続き医療体制の構築を進める」と述べた。

 県内のコロナ入院患者は5月29日の時点で十和田市立中央病院の1人のみとなっていた。同病院によると、最後の1人は90代女性。4月11日に感染が判明し入院していた。重症ではなかったが、2日続けてPCR検査で陰性となって退院するまで約1カ月半かかった。

 県内で初の感染者が確認されたのは3月23日。以降、感染が判明した27人全員が医療機関に入院して治療を受け、5月15日には80代女性1人が死亡、ほか26人は同30日までに順次退院した。県によると、死亡は老衰によるもので、重症化した人はいなかった。

 今後に向け県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「世界的に見て国内、県内の感染者は少なく、(感染収束が期待できる)集団免疫にはほど遠い状況。もう一度感染の波にさらわれると脆弱(ぜいじゃく)な部分がある。医療体制や検査体制を今のうちに強化して、需要が上がったときにカバーできるようにする必要がある」と指摘した。

 県は現在、次の感染拡大に備え、感染症指定医療機関の29床に加え、指定外の医療機関の協力も得て受け入れベッドを99床増やし、計128床を確保。このほか軽症者が療養するホテルは青森市内に約30室を準備している。

 県によると、1日は感染の有無を調べるPCR検査自体もゼロとなった。緊急の検査だけに絞っていた土日を除き、「平日で検査ゼロは記憶がない」(担当者)としている。