むつ市での健康授業の様子

 むつ市では2015年に健康宣言が出されました。下北文化会館に集まった約千人の市民の皆さんの熱気は、今でも忘れられません。

 健康づくりの盛り上がりの根底には、短命県である青森県の中でも、同市がさらに短命の土地柄であるという現実があります。宮下宗一郎市長の意欲的な方針のもとで健康づくり運動が展開されています。全国でもまれな注目すべき活動です。

 筆者の視点で要約すれば、同市の健康づくりは、市全体(経済、文化、教育、健康など)の総合的な取り組みとして盛り上げ、その中の一つとして、互いの結びつきと相乗効果を期待しながら進められているところに特徴があります。

 つまり、健康づくり活動が町づくり、地方創生に結びつくことを強く意識しているのです。その全体像が市長の頭の中にはすでにあるのではないかと思います。

 同市は、日本ジオパーク認定、各種特産品の開発などの花火を打ち上げながら、同時に地に足の着いた健康づくりに着手し、それらを一体として結びつけようとしています。

 このような発想は、一見当たり前に見えるかもしれませんが、斬新です。

 ウォーキングアプリ「むつぼしWalker」は、スマートフォンに登録すると毎日の歩数が測定できて、毎日の参加者中のランキングが掲載されるという優れものです。市長も参加し、東京出張の時に2万歩歩いた時でもやっと10番に入るくらいのハイレベルだそうです。トップは約3万歩だとか。いやはや…。

 学校での健康教育は“「健康の未来」を変えるプロジェクト授業”と銘打ち、市教育委員会と市内の小中学校との連携で16年から実施されてきました。毎年数校ずつ行い、保護者はもちろんのこと、地域住民も巻き込むなど、各学校が趣向を凝らし独自の教育を展開しています。

 「むつ市すこやかサポート事業所」認定も15年から始まりました。認定企業数は42にも上ります。

 保健所の活動も活発で、市のみならず、企業、町内会とも連携して活発な活動が行われています。

 また、同市にはストッキングで有名な「アツギ」の全国一の製造工場が50年前からあり、その縁もあって来年度からは弘前大学COI、市役所との共同企画で「健康下着大作戦」がスタートします。

 これは「アツギ社製のインナー(下着)を着けてメタボ予防をできるか」というチャレンジです。市民の方に少しきつめのインナーをつけていただき、さまざまな取り組みや健康教育を行いながら目的を達成します。3Dでのボディー全体の映像も取っていただけるので、いい思い出にもなります。近々募集が開始されますので、少しメタボ気味だと思う方は奮ってご応募ください。

 百花繚乱(りょうらん)の感がある、むつ市の健康づくりの取り組みはこれからが正念場です。大いに注目したいと思います。