中学校で行われた「若年生活習慣病予防健診」の様子

 南部町の工藤祐直町長が中心となって健康宣言を出したのが2015年10月のことでした。

 同町の健康づくりの特徴は、町内外の大学や専門家の支援を上手に活用しているところです。積極的に仕掛けているところです。町村単位の健康づくりの工夫としてとても役に立ちます。

 もともと同町の学校における健康教育には定評がありました。県立保健大学の古川照美教授のご協力で、旧南部町・旧名川町の中学校で長い間、「若年生活習慣病予防健診」が行われています。この取り組みのユニークなところは、血液検査を導入したことと、それを用いて三者会談「親子健康面談」(生徒・保護者・保健師または栄養士)をしたことです。

 よく、小児の肥満で頭を悩ませている親を見かけます。その解決はなかなか難しいです。小児科受診でもなかなかいい結果を出せません。

 三者会談は効果を発揮しました。子供が自主性を持ち、親も問題意識を持つことができたからです。加えて三者会談は学校の風紀の引き締めなどにも役に立ったようです。

 以前、筆者が所属していた弘前大学の社会医学講座で、東洋大学駅伝部(陸上競技部)のサポートをしたことがありました。3年目に箱根駅伝で優勝を飾りました。この時も三者会談が役に立ちました。

 血液検査、食事調査、体組成調査、心理テストの検査を、われわれが選手・コーチ(監督)の前で説明し、その改善について話し合います。

 一言で言えば選手の自主性が育ったということに尽きます。健康も同じで、自分のものとして考え、行動しないと実現しません。南部町の中学校での取り組みは見事だと思いますし、時代の先を行っています。

 同町の主な健康づくり活動を3つ紹介します。

 (1)心の健康づくり事業…25歳から70歳までを対象に心の健康診断を行い、専門医による講話や相談を行う。県立保健大学、日本大学、慶応大学とのコラボ。

 (2)健康リーダー育成…県医師会健やか力推進センターに委託して年に一度健康リーダー(健やか隊員)育成研修を行う。リーダーはその後の町の健康づくり活動の核となる。

 (3)健康講座開催…「なんぶ健活講座」と称して、健康講話や体操教室が6回コースで行われている。八戸学院大学、弘前大学COIそれに町内医療機関とのコラボ。

 (4)その他…中学生ヘリコバクターピロリ菌対策事業、総合的歯科口腔(こうくう)保健事業など。

 町村独自で健康づくりを展開するのが難しい場合、外部組織とのコラボは有効です。例えば、県医師会健やか力推進センターはそのためにつくられたような組織です。格安で、リーダー育成やQOL健診(啓発型健診)の委託を受けます。もちろん、市町村、保健所、協会けんぽからの講師派遣も利用できます。