鯵ケ沢町で行われた健康宣言大会=2014年

 2014年、鯵ケ沢町で健康宣言が出されました。短命県返上が騒がれてからの、市町村単位での健康宣言のはしりになります。

 東條昭彦町長(当時)を中心に集まった町民の皆さんの数約500。人口約1万人の5%ほどです。その意気込みには圧倒されました。

 今、鯵ケ沢町では「健康づくり推進協議会」を中心として、さまざまな取り組みが進められています。そのうちのいくつかを紹介します。

 まず、「親子プロジェクト」と銘打った小中学校での健康教育です。県立保健大学の古川照美教授の支援などを受け、6年前から中学生の健康教育が始まりました。鯵ケ沢町の健康教育の特徴は、血液検査をいち早く取り入れたところです。自分のコレステロールや血糖の値を知ることは、子ども時代にはなかなか経験できないことです。教育に必要な、きっかけ、モチベーションづくりにつながります。この健康教育は2年前から小学校でも行われています。

 次に、健康リーダー(保健推進委員、食生活改善推進員)の育成です。もともと鯵ケ沢町の健康リーダーの活動は活発で町民の健康を支えてきました。それに加え、町の方針としてリーダー育成事業は健康教養(ヘルスリテラシー)を高めるという基本方針のもと、多くの研修会が開催されています。

 たとえば、健康づくりイベントなどでの野菜アップ運動、健診PR活動、自身が得た健康知識を地域に還元する活動、などです。

 17年から町政を引き継いだ平田衛町長は、ありがたいことに前町長の健康施策を力強く引き継いでくれました。14年から町の健康アドバイザーを拝命している私も続投が決まりました。平田町長は、さらに新しいチャレンジもしています。

 それが、マルマンコンピュータサービス(弘前大学COI参画企業)の「健康物語」という健康指導・管理ソフトの導入です。これは、健診結果を入力することで、今の健康状態や経年の変化が一般の人にも分かりやすく表示され、保健師の保健指導に役立ちます。

 また町の代表的企業である丸重組もさまざまな健康経営施策を続けています。始業前のラジオ体操、全従業員への歩数計配布、血圧・体重の定期的測定、そして各種禁煙対策、ノー残業デーの設定などです。地域の健康づくりが企業にも波及した形です。

 ご多分に漏れず、鯵ケ沢町でも保健師の数が不足しています。その分、平田町長のリーダーシップと健康づくりスタッフの頑張りで力強く乗り切っているという印象です。

 いやが応でも人口減と高齢化に悩まされる青森県の市町村において、健康づくりの分野に明るい灯をともしていただきたいと願います。