「いきいき百歳体操」の様子

 健康づくりと一口に言われても、「何をやればいいんだ?」と戸惑われる方も多いようです。そこで、市町村での実際の取り組みを紹介します。

 私の健康づくりの仲間である平川裕一先生(弘前大学保健学研究科、県作業療法士会)が強く関わっている中泊町の「いきいき百歳体操」を中心とした事業です。これは全国に誇れる地域の健康づくり活動で、濱舘豊光町長が全面バックアップしています。

 町の地域包括支援センターが支援する「住民主体の通いの場“いきいき百歳体操”」は2015年12月に1カ所の活動で始まりました。

 始まりは介護予防、つまり体を動かすこと(体操)でした。そして、今は介護予防に限らず“町づくり”に視野が広がっています。

 20年2月現在、町内10カ所で実施され、参加者の年齢層は主に50~80代(女性が多い)で、1カ所あたり10~30人が登録しており、年々増えています。1カ所1回当たりの参加者数は10~20人です。今後も数カ所で立ち上げの予定があります。

 具体的には以下のような内容です。週1回、町民主体で開催します(地域包括支援センタースタッフは必要に応じて訪問)。参加者が忙しければお休みです。血圧測定に加えて、ビデオを見ながらの「いきいき百歳体操」、そして「かみかみ百歳体操」(口の体操)というのもあります。

 体力測定(年1回)、健康講話(年数回)、食事会、茶話会、歌、詩の朗読、頭の体操、踊りなど内容はさまざまです。顔を合わせるだけでも価値があります。いつもわいわいと楽しく活動しています。

 活動開始後1カ月間、その後半年から1年おきに、町役場から依頼された作業療法士による体操の指導、健康講話があります。言語聴覚士、歯科衛生士、保健師による健康講話もあります。

 この活動で、町に「通いの場」をつくり出し、町づくりにつなげていこうというものです。

 町役場では、映像機器の調達(費用負担なく)、光熱費の補助、パイプ椅子の貸し出し、講師謝礼負担などを行います。関わる人たちは、町民が主体となりながら継続できるように寄り添います。

 運営費用は、原則として、町内会や参加者で少額を負担します。

 つまり、あまりお金をかけなくとも「いきいき百歳体操」は続けられるということです。

 とても驚いたことがあります。それは「いきいき百歳体操」に対する町役場の皆さんの考え方です。これまでのように「町民の皆さんにやってもらう」のではなく、参加者が「やりたい、続けたい」と思えることを大切にし、その仕掛けを考え、動きだすことを辛抱強く待っていることです。町はお手伝いに専念します。

 中泊町の「いきいき百歳体操」には学ぶものがたくさんあります。読者のみなさんも参考にしてください。

 ※「いきいき百歳体操」 高知市の理学療法士が開発した体操で、日常生活で必要とされる動作に必要な筋力、バランス、柔軟性のアップを目指す。