弘前大学COIとは聞きなれない言葉です。

 まず「COI」ですが、Center Of Innovation(イノベーションの拠点)の略で、イノベーションとは大きな変革という意味です。このCOI事業は、国が行う国家的事業で、大学や企業が中心となって実践しています。

 今から7年前の2013年、全国12(現在は18)のCOI拠点の一つに弘前大学が選ばれました。活動期間は13年度から21年度までの9年間です。

 これまでにない大きなプロジェクトの採択に興奮しました。「よし、やったるぞ!」という気持ちでした。なぜなら、短命県返上活動の強い追い風になると思ったからです。

 実際、弘前大学COIにより短命県返上活動が大きく加速しました。国からの大きな金銭的援助などがあったからです。

 弘前大学COIの活動内容は以下です。(1)青森県の短命県返上活動を推進する(2)その活動を産(企業)、官(自治体など)、学(大学)、民(県民)の連携で取り組む。特に企業活動を活発化する(3)岩木健康プロジェクトという大きな健康調査を活動の中心にしている。

 この7年間で、弘前大学COIの活動と青森県の産官学民の力が融合し、大きな成果を収めてきました。15年もの間、続けられている岩木健康増進プロジェクトのビッグデータは全国の注目を集め、参画企業・研究機関は40を超えました。いまや、全国が注目する活動になっています。

 その実績が評価され、2度の中間評価(3年と6年目時点)で全拠点中最高評価を受けることができました。また、19年3月に第1回日本オープンイノベーション大賞(最高賞の内閣総理大臣賞)、11月に第7回プラチナ大賞(最高賞の総務大臣賞)を受賞することができました。

 このような背景で、地方創生の関係大臣、中央官庁の皆さんや県外の市町村、各大学の方がひっきりなしに見学に来るようになりました。今まで誰もやったことのないような地方創生の取り組みが今、青森県でやられていると言われます。つまり、健康づくり、短命県返上という地味な活動が、青森県の地方創生に結びつき始めていると、驚きの目で見られているということなのです。

 COIに採択され、その活動が良い評価をいただき、私の中で健康づくりに対する考え方が変わりました。

 つまり、健康に関心のない7割の人に健康づくりの情熱を届けるには、経済活動や少子化対策、あるいは地域だけでなく職場や学校での取り組みに真剣に取り組まなければならないということです。

 そのためには産官学民の本当の連携(オープンイノベーション)が必須です。私自身いろんな活動に取り組み、そこに出かけて汗をかかなくてはならないと強く考えるようになりました。

 COIの求めるイノベーションはそのような活動の先にあるのだと思います。地方創生の活動です。