短命対策には、健康知識(健康教養、ヘルスリテラシー)が大切です。私なりの健康教養の骨子を述べます。

 まず「健康物語」=図=をご覧ください。左から右に年齢を重ねる流れです。ここには上と下の二つの流れがあります。

 上はメタボリックシンドローム(以下メタボ)の流れです。メタボとは、簡単に言えば内科の病気です。下はロコモティブシンドローム(以下ロコモ)の流れです。簡単に言えば整形外科の病気あるいは体力低下のことです。

 まずメタボの流れから。生活習慣が積み重なる(年をとる)とメタボになります。人はある程度の時間(潜伏期間)を経て病気になるからです。潜伏期間は、生活習慣の良し悪しで違います。この差が寿命の差になります。

 メタボは一つの病気ではありません。肥満、高血圧症、糖尿病、脂質異常症(コレステロールが高いなど)の四つの病気(病気の前の状態を含めて)をまとめてメタボと言います。四つの病気は似ているからです。最近ではメタボに加えて歯周病が注目されています。歯周病が糖尿病や心臓病に関係があるからです。メタボは動脈硬化を進めます。

 動脈とは、心臓から全身に血液を行き渡らせる血管で、脈が触れる血管です。動脈硬化とは、この動脈がさびた水道管のように、壁が厚く、もろくなり、中が細くなり血の巡りが悪くなった状態です。老化を進めます。

 動脈硬化の差が寿命の差になります。特に血圧が高い状態が長く続くと、動脈硬化はさらに進行します。動脈の中には血液がパンパンに詰まっています。このパンパン度が血圧です。高血圧の怖さは症状が少ないままに体がむしばまれることにあります。

 高血圧が続くと(1)血管が破れる脳出血(2)心臓のポンプ機能の低下(心不全)(3)腎臓の働きが落ちた人工透析-などにつながります。高血圧に糖尿病が加わると危険性は倍増します。血圧と糖尿病は健康長寿のキーワードです。

 老化が進むと、6~7割の人が命を落とす3大生活習慣病(がん、心臓病、脳卒中)になります。短命県もメタボの流れで説明できます。

 まず、青森県は3大生活習慣病の死亡率が全国一高く、最短命県です。その原因は、健康物語の上流つまり、メタボが多いことにあります。その理由は、その上流すなわち生活習慣が悪いことが原因です。したがって短命対策は、若い人には生活習慣の改善、そしてある程度の年齢の人にはメタボ対策(高血圧・糖尿病管理)です。さらに、健診、そして、病気になった場合は、病院治療をちゃんと受ける、のも大切です。

 次にロコモの流れを説明します。ロコモとは屋台骨(骨、筋肉)が弱くなった状態です。60代でロコモになると、寝たきりが近くなります。がんより寝たきりが怖いです。

 骨は若者で背丈が伸び切った時にはほぼ出来上がり、以降は横ばいか次第に弱くなっていきます。特に女性は50歳前後で閉経を迎え、一挙に骨が弱くなります。

 ですから、骨は子ども時代に強く大きくしておく必要があります。食事以上に重要なのが運動です。また大人でも、年々弱くなっていく骨の状態を押しとどめるために運動は大切です。

 最近注目されている認知症も、生活習慣やメタボ、ロコモと密接に関係しています。つまり、二つの流れの中である程度予防できるということなのです。

 健康物語を、頭の大きな引き出しに入れてください。