体操のお兄さんが指導する親子体操。育児ストレスもすっきり解消

 佐藤弘道さん(以下お兄さん)と言えば、NHKの「おかあさんといっしょ」で最も人気のあった第10代「体操のお兄さん」です。

 そのお兄さんを招いて弘前市の県武道館で「親子体操教室」を開催したことがあります。もう10年も前の話です。会場には約100組の親子が集まりました。子供は5歳ぐらい、親はほとんどがお母さんでした。

 お兄さんの親子体操は約1時間のプログラムでした。親が四つんばいになって子供がその下を潜り抜けたり、子どもが親の肩と背中にすがり付きながら一周するなど親子の絆を重視した体操です。

 子供は最初から最後まで終始楽しそうにはしゃいでいました。

 しかし、です。お母さんは最後はヘトヘトの状態でした。

 お兄さん曰く「お母さんたち体力ないですねぇ…」。

 それはそうだと思います。このくらいの子供を持つお母さんはほとんど運動をしません。年齢的にはまだ若いのですが、体力は一時的にせよ、かなり落ちています。

 お兄さん、さらに続けて曰く「私、全国を巡るとお母さんたちから健康のことなんでも知っていると思われてるんですよ。ビタミンCの健康効果は?」とか。

 そのようなことで、お兄さんは弘前大学の大学院に入学し健康の勉強をすることになりました。テーマはズバリ“親子体操”でした。医学博士を目指したのです。

 お兄さんの研究内容は以下のようでした。

 弘前市内の幼稚園児(2013年4月1日時点で満4歳)とその母親、計43組の親子に弘前駅前のヒロロに集まっていただきました。13年11月から6カ月間親子体操を実施し、初日と最終日にいろんな項目を測定しました。

 例えば、運動習慣などの生活習慣、抑うつ度、育児ストレス度、睡眠状況などの聞き取り、さらには、血圧測定、血液検査、体力測定などです。6カ月間は、配布した教材から好きな親子体操を自宅で実施し、記録してもらいました。その結果がすごかったのです。

 たくさん運動をした母親ほど、体の脂肪量や血圧が低下し、抑うつ度、育児ストレス、睡眠状況が改善しました。驚きの結果でした。

 こんなに楽しく、健康づくりができる親子体操を短命県返上に役立てない手はない、そう思いました。そのようなことで、親子体操の普及事業(親子体操リーダー育成事業)が始まったのです。5年前のことです。

 事業開始5年目を迎えた昨年は、青森市のアピオあおもりを会場として、2日間行われました。一昨年からは県保育連合会と連携して、保育士さんを中心に実施しています。

 若いお母さんが元気になる。お子さんとのつながりが強くなる。一見関係なさそうですが、これもまた短命県返上に直結します。