2015年に発足した県健やか力推進センターの開所式

 県主催の大きな会議に「県健康寿命アップ推進会議」があります。文字通り青森県の健康寿命・平均寿命延伸のための会議です。三村申吾知事自らが会長としてその会議を最初から最後まで仕切っておられます。構成メンバーは健康に関係する主だった組織の代表者です。

 この会議で私が悩まされ続けたことがあります。それは、会議が終わった途端に眼の前にドーンと現れる大きな壁です。その壁とは、一体この短命県返上を「誰がやるの?」というきわめてシンプルな自分への問いかけです。県庁も一生懸命です。多くの委員の皆さんもそれなりに頑張っています。でも短命県返上はできない。大げさに言えば、大の大人が寄ってたかって、です。

 そう言えば5年前、長野県に立ち寄り、佐久穂町の役場の友人と会って次のような会話を交わしたことがあります。

 私「貴町で減塩対策はどのようにしますか?」

 友人「健康リーダーである、食生活改善推進員、保健補導員にまず相談する。次に関係者が協議をする。対策を実施した後、発表会と反省会を行い次の対策に備える」

 スラスラとした答えに一瞬顔が赤くなりました。青森ではここまでは難しいと感じたからです。健康づくりの仲間がいかに大切であるか思い知らされました。

 実は青森県にもたくさんの健康リーダーがおられ、その一生懸命な活動に頭が下がります。しかし、まだ仲間の数が足りず、勉強する機会も多く取れません。そこを何とか応援したい。

 2年後、県庁に「健やか力推進センター」の創設を提案させていただきました。短命県返上のための仲間づくりを担当する組織です。

 しかし、スンナリとはいきませんでした。壁がいくつもありました。

 しかし、短命県返上に県庁が本気でした。担当課長さんはじめ、その気合に救われました。

 問題は設置場所でした。結局、県医師会に引き受けていただくことになりました。医師会が健康づくりの総本山になること自体私の目から見て「奇跡」に近く、齊藤勝会長のご英断には感謝しかありません。

 ところが、まだ山はありました。スタッフです。スタッフ雇用には先立つものが必要です。解決が難しい問題でした。

 そのような矢先、みちのく銀行の杉本康雄会長(当時)から助け船が出されました。行員の方を1人出向させていただけるとのこと。センター開設に希望の光がともり、なんとか2015年4月の開所式にこぎつけました。現在はこれに青森銀行からの出向者1人が加わり、総勢5人の常勤スタッフで運営されています。

 センターでは、今では年間約30にも及ぶリーダー育成研修を実施しています。開設以来5年目で3千人のリーダーが巣立ち、その方たちが、全県で活躍しています。

 長寿県長野には、全県に10万人の健康リーダーがおり、日本一の長寿を達成しました。青森もそこに少しずつ近づいてきています。