1965(昭和40)年、国で“平均寿命都道府県ランキング”なるものが初めて公表されました。本ランキングは5年に1度、国勢調査の年の計算値が公表されます。

 同年から計11回公表されたランキングを見ると、青森県は男女計で一度も最下位を出たことはありません。特に男性の短命は深刻です。

 2015年のランキングを見てみましょう=表1。男女とも最下位ですが、同じ最下位でも男女では意味が違います。

 男性は46位秋田県と0.8歳以上と当分追い付けそうもないくらいの大差ですが、女性は栃木県と0.3歳の差で頑張れば手が届く差です。

 ここで目からウロコの一つ目の話です。

 15年の最短命県青森、最長寿県長野の平均寿命の差は2.4歳(年)なのですが、この差は人生最後の差ではありません。

 表2をごらんください。年代別死亡率(この表は15年の男性)を見ると、ほぼ全年代の死亡率で青森県が長野県を上回っていることが分かります。なんと、40、50、60代の働き盛りの男性が長野県の約1.5倍も亡くなっているのです。

 見方を変えればこういうことになります。平均寿命2.4歳の差は、死亡数で約2500くらいになります。

 分かりやすく言えば、青森県民125万人が全員長野県に移住すれば、2500の死亡数が減少することになります。これは青森県の1年間の死亡数の約15%という大きな数になります。

 同時に、全国1888市区町村の平均寿命ランキングも公表されています。なんと、男性は青森県の全40市町村が、女性も26市町村がワースト100に入っています。

 二つ目の目からウロコの話。

 それでは、この中年世代の県民はどのような病気で亡くなっているのでしょうか。それは三大生活習慣病、つまり、がん、心臓病、脳卒中です。この三つの病気で、40歳すぎの県民の60~70%が命を取られています。

 これらの三大生活習慣病が発病するには30年くらいの長い月日がかかります。喫煙にしても肥満にしてもすぐに発病・死亡につながるわけではないからです。

 ですから、これまでの健康づくりのように地域(市町村)で保健師さんが頑張っているだけでは短命県返上はかないません。地域社会は年々その力が弱くなり若者を集めることができなくなっているからです。

 それではその若者はどこにいるのか? 学校と職場にいます。したがって、本当に短命県返上を目指すならば、学校と職場における健康づくり、健康教育を行う必要があります。ここまでくると、市町村長さんの出番になってきます。

 10年には男女計で2.7歳(年)あった長野県との寿命の差が15年には2.4歳まで縮まりました。この0.31歳は、死亡数に直すと約300という大きな数字になります。

 つまり、今の青森県の短命県返上活動は正しい方向に進んでいるのです。自信を持って、胸を張って前進していきましょう。