記者会見に臨む三村知事=9日午後2時、県庁

 青森県は9日、十和田市の認知症高齢者グループホームに入居する80代の女性1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。上十三保健所管内では初確認で、重症化するリスクが高いとされる介護施設での感染確認は県内で初めて。県は十和田市の事例について「クラスター(感染者集団)発生の可能性がある」と初めて言及。女性以外の入居者17人と職員16人計33人全員のPCR検査を急いでいる。同日は青森市の50代男性会社員の感染も確認され、県内の感染者は計14人となった。

 県によると、十和田市の80代女性は2日から37度台、38度台の発熱が続き、3日に施設の車両移送で同市内の医療機関を受診。エックス線画像で肺炎の所見があった。その後も発熱が続いたため、7日に施設から連絡を受けた同医療機関が保健所に相談し、女性は接触者外来を受診。8日から市内の感染症指定医療機関に入院し、9日にPCR検査で陽性反応が出た。

 女性は9日現在も37度台の発熱があり、肺炎は今のところ軽症。グループホームは個室で、女性は3月以降外出していない。女性の家族が3月上旬、面会に訪れたが、濃厚接触者には該当しないという。

 感染経路について県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「施設の特性上、外からウイルスが持ち込まれ、女性に感染したとみられる」と述べた。

 同施設では3月に職員数人が関東方面を訪れたというが、緊急事態宣言の対象となっている7都府県かどうかは不明。職員は出勤前に検温などを行っていたが、マスクの着用は徹底できていなかったという。

 県はこれまで、濃厚接触者については自宅待機してもらい、2週間の健康観察をする中で、症状があれば必要に応じPCR検査を行う-との対応方針を強調してきた。

 しかし、大西医師は「今回は高齢者施設なので早急に全員検査する。施設の存続と感染拡大を防ぐため、明日(10日)中というスピード感で検査し、きっちりフォローしていく」と話した。

 現時点で濃厚接触の疑いがある入居者と職員計33人に症状はない。ただ、入居者が生活する施設の閉鎖や休止はできず、このため職員も自宅待機せずに入居者のケアを続けるという。

 有賀玲子県健康福祉部長は「施設のほか職員の自宅でも感染拡大に最大限の注意をしなければならず、厳しい状況。保健所がサポートし、応援も検討する」と述べた。