■ 桜守/愛される木の命守る (2015年3月31日掲載)

最古のソメイヨシノの枝や花芽を見ながら健康状態を診る橋場さん
 

 弘前公園に所狭(ところせま)しと咲(さ)く桜(ざくら)。同園の桜は、約100年前から人々に愛されてきました。この桜の木の命を見守っているのが桜守(さくらもり)です。

 代々受け継(つ)がれてきた桜守の知識(ちしき)と技術(ぎじゅつ)を受け継ぐのは、樹木医(じゅもくい)・橋場真紀子(はしばまきこ)さん=大鰐町出身=(42)です。橋場さんは、弘前市公園緑地課に昨年発足(ほっそく)した「チーム桜守」の一員です。

 同園に桜の木は、約2600本あります。そのうち、主役ともいえるソメイヨシノは約1700本。ソメイヨシノは寿命(じゅみょう)60年といわれてきましたが、樹齢(じゅれい)100年以上のソメイヨシノが300本以上残っています。

 「古木に若々(わかわか)しい花が咲くのは、念入りに手入れしているからです」と橋場さん。枝(えだ)の剪定(せんてい)、肥料(ひりょう)やり、病気の根の切り取り、土の入れ替(か)えなど管理技術(ぎじゅつ)は今や「弘前方式」として広く全国に認知(にんち)されています。

 橋場さんは「桜の木が発するどんな小さなシグナルも見逃(みのが)したくない」と、毎朝、広い園内の見回りを欠かしません。そして、傷(きず)ついたり、元気のない木を治療(ちりょう)します。いま、特に気にかけているのが、樹齢130年を越す最古のソメイヨシノです。より栄養が吸収(きゅうしゅう)しやすいようにと、昨年、病気の根を切り、土を入れ替えました。「枝を見ると一生懸命(いっしょうけんめい)生きていることが伝わってくる。今年はどれくらい花を咲かせてくれるか楽しみ」と真剣(しんけん)な表情(ひょうじょう)で花芽を見つめます。

 高校卒業後、いったん、橋場さんは植物と関(かか)わりのない仕事に就(つ)きました。しかし、大好きだった自然に携(たずさ)わる仕事がしたいと、25歳(さい)で樹木医になる決心をしました。弘前城植物園で7年間経験を積み、2度目のチャレンジで夢(ゆめ)をつかみました。橋場さんには子どもが3人います。仕事と家庭の両立は大変なときもあるそうですが、好きなことができることは何ものにも代え難(がた)いそうです。

 橋場さんは「現在(げんざい)の手入れが何十年、何百年後の桜の命に直接(ちょくせつ)関わるので気が抜けない。みなさんの記憶(きおく)に残る桜の木を育てたい」と話していました。


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