東奥日報文化財団(理事長・塩越隆雄東奥日報社会長)は25日、第5回東奥文化選奨の贈呈式を青森市の東奥日報新町ビルNew’sホールで行い、ソプラノ歌手の隠岐彩夏(おきあやか)さん(35)=五所川原市出身で川崎市在住、アマ将棋棋士の中川慧梧(けいご)さん(27)=八戸市出身で東京都在住=の活躍をたたえた。
 東奥文化選奨は、実績を上げている新進気鋭の作家・表現者などで、本県の芸術・文化の普及や振興に大きく貢献することが期待される本県在住者や出身者を対象に、2016年から毎年1回選定している。今年は同財団の2月の理事会で2個人が決定した。

 
 

 

 

 

 

 

 

 隠岐さんは16年、国内の若手音楽家の登竜門とされる日本音楽コンクールの声楽部門(歌曲)で1位。国内屈指の指揮者と共演を重ねているほか、県内でも17、18年の「青森第九の会演奏会」でソリストを務めた。19年1月から1年間、文化庁新進芸術家海外研修員として渡米するなど、研さんに励んでいる。
中川さんは06年、長者中在学中に最年少で県王将戦、県有段者選手権、県名人戦の3冠を達成した。08年には全国アマチュア王将位大会を16歳の最年少で制し、19年9月には全日本アマチュア名人戦で、本県出身者では1950年以来69年ぶり2人目の優勝を果たした。
贈呈式には同財団の理事や評議員のほか、県内の文化団体関係者ら約40人が出席。塩越理事長が2人に表彰状と金一封、トロフィーを手渡した。
来賓の三村申吾知事(柏木司副知事代読)が「これからも心に癒やしや希望を届ける文化芸術を支え、発展させてください」と祝辞。塩越理事長が「それぞれの分野でさらなる飛躍を期待している。今後も本県に明るい話題をもたらしてほしい」とあいさつした。

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

「感謝を忘れず、自分なりに音楽に向き合っていく」「安定した実績を残せるよう、気を引き締めて精進する」―。25日に行われた第5回東奥文化選奨贈呈式では、受賞者のソプラノ歌手・隠岐彩夏(おきあやか)さんとアマ将棋棋士・中川慧梧(けいご)さんが、支えてくれた家族や関係者への感謝と今後の抱負を力強く語った。
隠岐さんは「いつか地元青森で活躍できるような力をつけたいという思いで、東京を拠点に精進してきた。18歳で青森を出てから17年。頭も心も音楽でいっぱいの日々で幸せだった」と振り返り、「近年は少しずつ青森で歌える機会も増えてきた。青森県人であることを誇りに思い、受賞の喜びと感謝をエネルギーに変えて一層頑張っていきます」と誓った。
祝辞では隠岐さんの五所川原高校時代の恩師で、弘前高校教諭の藤村美香さんが「自分の主張を持ち、他者への温かさが感じられる音楽。これが隠岐さんの歌手としての魅力」と紹介。現在第2子を妊娠中の隠岐さんに「母としての時間も音楽の深みにつながり、さらに熟成されることでしょう」と期待を寄せた。
中川さんは、昨年優勝した全日本アマチュア名人戦について「高校時代にベスト4に入り、てっぺんはすぐなんじゃないかと思っていたが、そこから箸にも棒にもかからず、全国大会から遠くなっていた時期もあった」と苦労を明かし、「千載一遇のチャンスで何とか優勝することができた。支えてくださった青森県将棋関係者の皆さま、将棋に打ち込むことを許してくれた家族に、本当に感謝している」と語った。
 県将棋連盟の北畠悟会長は祝辞で、小学5年生の中川さんと初めて対局した時に「将来とてつもない大物になると直感した」と話し、「現在アマチュア日本最強と言っても過言ではない。プロ棋士を目指す道、アマチュアの立場でプロ棋戦で活躍する道もある。まだ見ぬ未知の可能性に挑戦してください」と激励した。
式の最後には隠岐さんがオペラ「椿姫」より「乾杯の歌」を披露。伸びやかな歌声で花を添えた。