ページをめくると飛び出す絵にびっくり! 青森市のサンロード青森で11月下旬、「しかけ絵本の世界展」が開かれました。同市に本社を置く書店「成田本店」が主催(しゅさい)。19世紀に海外で作られた古い絵本の原本から最新の絵本まで、約350種類が集まりました。
子ども向けのしかけ絵本が普及(ふきゅう)したのは、18世紀後半ごろと考えられています。それ以前は、天文学や医学、地理学などの学問を視覚的(しかくてき)にとらえるための大人のものでした。
今回の展示の中で一番古い絵本は、1851年にイギリスで作られたのぞきからくり絵本。絵本の表紙に付いた小さな穴(あな)をのぞくと、宮殿(きゅうでん)でのセレモニーの様子など華(はな)やかなシーンを立体的に見ることができます。
現在(げんざい)販売(はんばい)されている絵本は童話、乗り物、動物、科学などジャンルもさまざま。飛び出すしかけと一緒(いっしょ)に音が出る物、360度ぐるっと広げることができるメリーゴーラウンド型など、しかけの種類もバラエティーに富(と)んでいます。
「不思議の国のアリス」などで人気の絵本作家ロバート・サブダは「紙の魔術師(まじゅつし)」と呼(よ)ばれており、サブダが作る精巧(せいこう)なしかけは芸術(げいじゅつ)作品のようです。季節柄(きせつがら)クリスマス向けの絵本もたくさんありました。
展覧会(てんらんかい)の企画(きかく)を担当(たんとう)した企画室エールの出羽伸生(でわのぶお)さんは「ページをめくったときの驚(おどろ)き、何が隠(かく)れているのか考える期待感。しかけ絵本には、あらゆる人を笑顔(えがお)にする魅力(みりょく)があります」と話していました。