みなさんは「囲碁(いご)」を知っていますか。弘前市の千年小学校でこのほど、学校の近くに住む囲碁のプロ棋士(きし)・古川(こがわ)こんゆ二段(にだん)(35)が小学生たちを指導(しどう)し、囲碁の魅力(みりょく)を伝えました。
古川さんは、クラブ活動の時間に学校を訪(おとず)れました。「ゲームクラブ」の4年生から6年生まで12人が、基本的(きほんてき)なルールなどを教わった後、実際(じっさい)に対局を行いました。
囲碁は、紀元前の大昔に、中国で始まったボードゲームで、2人で対戦します。碁盤(ごばん)の上に引かれた線の交わった所に、2人が黒と白の石を交互に置いていきます。相手の石を囲うと取ることができ、最後は陣地(じんち)の多いほうが勝ちとなります。
ちょっと難(むずか)しそうですが、「囲碁」の字の通り、「囲う」ことが一つの大きなポイントになります。古川さんは、同じ黒と白のこまで争う「リバーシ」などのオセロ風ゲームを例に取って説明。リバーシでは盤の角を取ると有利になるが、囲碁で角にある石は囲まれやすくなるため「今までと逆(ぎゃく)に考えればいいと思いますよ」と教えてくれました。
囲碁は「棋道」とも呼(よ)ばれ、ゲームに強いことはもちろん大事ですが、礼儀(れいぎ)がとても重んじられます。古川さんは「対局前と対局後にはきちんとあいさつすること」「対局中は静かにしましょう」などと心構(こころがま)えを語りました。
初めは口がムズムズしていたクラブ員たちも、次第(しだい)に戦いに集中。真剣(しんけん)な表情(ひょうじょう)で碁盤に向かっていました。5年生の佐藤海(さとうかい)君は「考えるので、頭の回転が速くなりそう」、6年生の中村洸然(なかむらこうぜん)君は「今度はおじいちゃんと一緒にやってみたい」と笑顔を見せていました。
「日本棋院」という囲碁の団体(だんたい)に所属(しょぞく)し、地域(ちいき)の公民館などでも普及活動に力を注いでいる古川さん。「囲碁を続けていけば、大会に出たり、楽しいことがいっぱいあると思います」と話していました。