ふだんはこんな感じの前澤さん(左)
リング上では厳しい表情に豹変…って、当たり前か(DEEP提供)
こんなキック、食らいたくないw(DEEP提供)
マウントポジションでボコボコに(DEEP提供)

 八戸市出身の女子総合格闘技選手が今年1月から、活動の拠点を地元から東京に移して活動していると聞き、トレーニング場所の格闘技ジム「リバーサルジム立川 ALPHA」を訪ねた。同ジムは、JR立川駅から徒歩約6分。ここで、試合などの写真を手がかりに、前澤智さん(28)と待ち合わせた。初対面なので、どんな厳ついヤツが出てくるかと思いきや、出迎えてくれたのは、写真の厳しい表情とは違う、笑顔が印象的な、小柄でかわいらしい女性だった。

 八戸東中、八戸商業高校で柔道部に所属し、弘前市の東北女子大を経て、八戸に戻り就職。並行してジム「パラエストラ八戸」に通った。柔道のほかサンボ、ブラジリアン柔術を経験し、22歳頃に仙台で開催されたブラジリアン柔術の大会に出場した際、女子総合格闘技のプロデューサーから競技に誘われた。八戸を拠点にプロとして活動を始めたが、地元はおろか東北には女子総合格闘家がほとんどおらず、実践練習が難しい。試合も首都圏で行う事が多かったため、思い切って上京したという。

 昨年8月以降、けが等でリングから離れていたが、6月5日に新宿FACEで開催された「DEEP JEWELS12」で本格復帰。20センチ近い身長差がある相手選手を得意のグラウンド戦に持ち込み、マウントポジションから打撃で圧倒し、1ラウンド2分3秒、TKO勝ちを決めた。

 前澤さんが通う「リバーサルジム立川 ALPHA」は、プロ格闘家の金原正徳さん主宰。金原さんは、初代戦極フェザー級王者、Dynamite、パンクラス、HEAT、DEEPなど様々なイベントで活躍し、世界屈指のファイターが集う究極の総合格闘技「UFC」にも出場したスゴイ格闘家で、ジムには金原さんを含め5人のプロが所属している。

 前澤さんはもともと柔道出身だけに寝技、関節技は得意だが、キックや打撃はまだこれから。「地元では〝お山の大将〟でしたが、厳しい環境でケズラれて、今、上げている最中」と言う。金原さんも、これまでに身につけたものの悪い癖が抜けていないと指摘し「打撃だけで相手を倒す力はまだない。得意の寝技に持ち込むため、打撃をうまく使う必要がある」と話す。

 まだまだ課題が一杯だという前澤さんの目標は「今の階級でベルトを巻くこと」。加えて2年前、海外の試合で「秒殺」された苦い経験から、再挑戦を期している。総合格闘技に全力で取り組んでいる前澤さんに聞いてみた。「交際していて、けんかになったら怖そうですね」。前澤さんは「これまで格闘家としか付き合ったがことなく、ケンカらしいケンカはなかった」と笑ってつつ「じゃれ合っていて技の掛け合いになることも。アキレス腱固めとか(笑)デートはいつもジム」と「格闘家あるある」を披露してくれた。やっぱ、ケンカはよした方がよさそうw なお、「減量の時は超イライラしている」というから、できるだけ近寄らない方が賢明でろう。

 前澤さんの次の試合は、8月27日、ディファ有明で行われる「DEEP JEWELS13」の予定。(C)