子グマだと思われたが、実は子ダヌキだと判明した幼獣
生後3カ月のツキノワグマの幼獣(くまくま園提供)

 子グマだと思ったら子ダヌキ、なんてマンガみたいなオチがついた青森県南部町の「子グマおとり」騒動。ネット上では「何かほっこりする」「声出して笑った」といった書き込みのほか、「子グマと子ダヌキって本当に似てるの?」という声も多数。そこでクマの生態に詳しい専門家に話を聞き、子グマと子ダヌキの写真を並べてみた。

 子グマの写真は、秋田県北秋田市「阿仁熊牧場 くまくま園」からお借りした。残念ながら、生後間もない写真はなく、3カ月くらいのツキノワグマの幼獣だという。大きさが全然違うので直接的な比較はできないが、素人目から言うと、メチャかわいい肉球を持つ写真の子ダヌキが、写真のラブリーな子グマに成長しないとは言い切れない、といった感じか。

 獣医師でもある、くまくま園の小松武志園長は「クマはクマ科、タヌキはイヌ科で、骨格からして違います。私たちなら見間違えることは無い」と話す。その一方で「見慣れていない人が間違えることは十分考えられる」とも。並べて見比べればいろいろ違いはあるが、今年はクマによる犠牲者が複数出ているだけに、見つけた人が慌てるのも無理はない話だ。

 青森・秋田県境付近では今年、クマに襲われたとみられる犠牲者が4人おり、地域ぐるみで警戒を強めている。そんな最中に、南部町の会社敷地内で、生後間もないとみられる「子グマ」2匹が見つかり、エサと一緒にオリに入れて親グマを誘い出そうとした。だが、こうした対応に批判の声が出たこともあり、「おとり作戦」は取りやめに。子グマならぬ子ダヌキが、危うくエサになるところだったのだから、タヌキにとっては笑えない話だ。また、これとは別にツキノワグマ一頭を地元の猟友会が駆除している。

 小松園長は「人が襲われる事例もあるが、クマは『マタギの里』のこの地域にとって、山神様からの大切な贈り物。人もクマも、山に生かされている生き物」と話す。くまくま園についても「単にクマを見るだけの施設ととらえず、ぜひ、人とクマの付き合い方を学んでもらいたい」と話している。くまくま園は毎年4月下旬から11月上旬開園し、営業時間は午前9時〜午後4時。問い合わせは同園(電話0186−84−2626)。(C)