トゲクリガニが存在感を放つ花見弁当。もう一段にはガサエビが入って二段重ねになる

 毎年ゴールデンウイーク前後に桜が満開となる青森県内。青森市など陸奥湾沿いを中心に、トゲクリガニは花見に欠かせない食材だ。毛ガニよりも少し小ぶりながら、ぎっしりと甘みのある身が詰まり、味噌、内子の珍味も楽しめる。これを肴に、宴を繰り広げるのがこの時期、この地域の定番で、仕出し店の花見弁当にも一匹丸ごと入り、存在感を放っている。

 青森市石江、創業42年の「むらかみ仕出し店」(大田久美子代表取締役)もこの時期、花見弁当づくりに忙しい。取材に訪れた日も50個のトゲクリガニ入り花見弁当の注文が入っており、作業に追われていた。大田英彦専務取締役によると「トゲクリガニ入り花見弁当を用意していないと、おしかりを受けかねないくらい。不漁の時は、おわびするしかない」。このため、複数の仕入れ先を確保しているという。弁当は直接、花見会場に届けることも多いが、花見時期は天候が不安定で、届け先が変更になることも少なくないという。

 なお、陸奥湾沿いの青森県民以外はトゲクリガニを食べた経験がない人もおり、花見の宴で食べ方のレクチャーが始まることもしばしば。当然、一生懸命食べると無口になるのはどのカニを食べても同じだ。

 トゲクリガニと同様に春先が旬のガサエビ(シャコ)は時期がずれ、今年は4月末に入ってようやく本格的に網にかかり始めたという。大田専務によると、今年のトゲクリガニは身入りが良く、トゲクリガニ入り花見弁当は「今の時点で5月中はお届けできそうです」。同仕出し店のガサエビ入り花見弁当は2000円(税別)、トゲクリガニ入りはシャコも入って3000円(同)。基本的に配達は青森市内のみ。注文、問い合わせは同仕出し店(0120-116-643)へ。(C)