大相撲(おおずもう)の人気力士・安美錦(あみにしき)(39)=深浦町出身=が大けがを克服(こくふく)し、「幕内(まくうち)」という最もレベルの高い階級に復帰(ふっき)した九州場所(11月12~26日・福岡市の福岡国際(こくさい)センター)で、8勝7敗と勝ち越(こ)しました。この好成績(こうせいせき)で敢闘賞(かんとうしょう)を受賞した安美錦は、涙(なみだ)を浮(う)かべて喜びました。
幕内力士として出場した2016年5月の夏場所で、アキレスけんを切る大きなけがを負いました。手術(しゅじゅつ)は成功しましたが、同年7月の名古屋場所を休場しなければならず、幕内より一つ下の「十両」という階級に落ちました。
しかし、同年9月の秋場所に出場を果たすと、秋場所と同年11月の九州場所ではともに8勝を挙げ勝ち越しました。17年3月の春場所以降(いこう)は9勝、9勝、10勝、10勝と好調を保(たも)ち、幕内に戻(もど)ってきました。
39歳(さい)での幕内復帰は昭和以降で最も高年齢(こうねんれい)です。その陰(かげ)には大変な努力があったようで、本人は今年11月の九州場所の前に「治療(ちりょう)とリハビリにすごく時間がかかった。周りから『いい』と言われた治療法は体を実験台にしてどんどん試(ため)した」と話していました。
今回は7勝7敗で千秋楽(せんしゅうらく)(最終日)を迎(むか)えましたが、相手を技ありの上手出し投げで破(やぶ)り、見事に勝ち越しました。「最後に勝てて本当に良かった。たくさんの人に感謝(かんしゃ)したい。やっぱり幕内の土俵(どひょう)はいいね」と東奥日報の取材に答えました。