「大好きな民謡(みんよう)が、もっと上手になりたい」。五戸町倉石の民謡団体「青森奥南部(おくなんぶ)会」で、4人の小中学生が唄(うた)などの稽古(けいこ)を重ねています。10日には同町内で開かれた民謡民舞(みんぶ)県連合大会に参加。唄の途中(とちゅう)、ハプニングもありましたが、稽古の成果を堂々と披露(ひろう)しました。
4人は川守田凛(かわもりたりん)さん(倉石中3年)、菊地(きくち)ナナさん(同2年)、菊地大樹(だいき)君(同1年)、相内(あいない)ひかりさん(倉石小2年)。川守田さんらによると、民謡の魅力(みりょく)は「むしゃくしゃしている時に思い切り歌うと、気持ちがすっきりできること」。友だちからは「民謡を歌う姿(すがた)はカッコイイ」と言われるそうです。
10日の大会。4人が出場した少年少女部門は順位こそ競(きそ)われませんが、大勢(おおぜい)の民謡好きの観客に見てもらえるお披露目(ひろめ)の場です。4人が合唱で挑(いど)んだのは「とらじょさま」「りんご節」「南部俵(たわら)つみ唄」の3曲。歌い初(はじ)めは緊張(きんちょう)気味でしたが、徐々(じょじょ)に調子を上げてきたところでした。
ガタ、ガタッ−。合唱の終盤(しゅうばん)、震度(しんど)4の地震(じしん)が発生。演奏(えんそう)はいったん中断(ちゅうだん)され、ステージ上の4人は不安な表情(ひょうじょう)に。でも、揺(ゆ)れが収(おさ)まって再開(さいかい)すると、堂々の歌いっぷりを見せました。観客から大きな拍手(はくしゅ)が送られ、師匠(ししょう)の手倉森勝利(てぐらもりかつとし)先生も「気持ちを切らさずにしっかりと歌えた」とほめてくれました。
「緊張していたけど、地震が来て、逆(ぎゃく)に堂々と歌えた」と胸(むね)を張(は)る大樹君。川守田さんも「気持ちを入れ替(か)えていつもより声を出せた。お客さんの手拍子(てびょうし)にも後押(あとお)ししてもらった」と感謝しました。
4人とも民謡を続けたい気持ちは同じですが、目標はさまざま。大樹君が「まずは一人でしっかりと歌えるようになりたい」と語れば、相内さんも「三味線(しゃみせん)を弾(ひ)きながら唄をうたったり、手踊(ておど)りにも挑戦したい」と意欲満々(いよくまんまん)。ナナさん、川守田さんもそれぞれ「全国大会の舞台(ぶたい)に立つことが夢(ゆめ)」「外国に行って民謡など日本の文化を紹介(しょうかい)できれば」と目を輝(かがや)かせます。