河田社長(右)から東奥賞を贈られる受賞者。手前から津軽鉄道の澤田長二郎社長、八戸市立市民病院の今明秀院長、大青工業の鳴瀬正彦社長、沖澤のどかさんの代理で恩師の下山敦史さん。スクリーンの映像は沖澤さん=7日午前、青森市のホテル青森

 東奥日報社は7日、文化、芸術、産業など各分野で活躍し、青森県の発展に貢献があった個人や団体に贈る「第72回東奥賞」の贈呈式を青森市のホテル青森で開いた。本年度は、世界的指揮者の登竜門・仏ブザンソン国際若手指揮者コンクールで1位となった沖澤(おきさわ)のどかさん(32)=青森市出身、氷温貯蔵技術を確立し農水産物の高付加価値化に貢献した大青(たいせい)工業株式会社(青森市)、ドクターヘリの運航などにより青森県救命医療の高度化に尽力した八戸市立市民病院、沿線住民の暮らしを支えストーブ列車など観光資源も生み出した津軽鉄道株式会社(五所川原市)の1個人、3団体に贈った。

 沖澤さんは1959(昭和34)年に小澤征爾さんが同コンクールで初優勝して以来、日本人として10人目の優勝。また、観客と演奏したオーケストラがそれぞれ選ぶ「観客賞」と「オーケストラ賞」も受賞した。

 大青工業は零下でも凍らない温度域「氷温」に着目し、高度な温度管理技術で食品の鮮度を長期間保ち、うま味を引き出す貯蔵庫を開発。リンゴの周年販売をはじめ、農水産物に高い付加価値をつけている。

 八戸市民病院はドクターヘリ導入から10年を迎え、ヘリがなければ亡くなっていたと考えられる「劇的救命」は100件超。2010年のドクターカー導入以降は年間1500件以上の出動実績を誇っている。

 五所川原市と中泊町を結ぶ津軽鉄道は来年開業90周年。17年には累計乗客数が1億人を突破し、沿線地域の生活を支える。津軽の冬の風物詩となったストーブ列車は近年、訪日外国人客の人気も集めている。

 贈呈式では東奥日報社の河田喜照社長が賞状とメダルを贈り「各分野でたゆまぬ努力を重ね、著しい成果を挙げた。さらなる活躍を心から願う」とあいさつした。

 三村申吾知事代理の青山祐治副知事は「皆さまの熱意と功績は県民の誇りで、その活躍は後進の学術、福祉、文化の振興に大きな力となる」と祝辞を述べた。

 青森ジュニアオーケストラの對馬文敏団長、県農業経営研究協会の三上巽理事長、前日本医学会会長・高久史麿氏の代理でみさと健和病院救急総合診療研修顧問の箕輪良行氏、津軽鉄道活性化協議会監事の濱舘豊光・中泊町長がそれぞれお祝いの言葉を述べた。

 東奥賞は1948(昭和23)年、東奥日報創刊60周年と紙齢2万号を記念し東奥日報社が制定した県民顕彰。今回を含め166個人・88団体に東奥賞、9人に特別賞、7人に特別顕彰、2人に特別栄誉賞、1人に特別大賞を贈っている。