インターネットオークションやフリーマーケットアプリ(フリマアプリ)を巡る利用者間のトラブルが増えている。東奥日報「あなたの声から『フカボリ』取材班」のパートナー社、河北新報社の「読者とともに 特別報道室」が、寄せられた情報を基に取材したところ、ネット上の個人間取引が近年急増し、目当ての品を気軽に入手できる一方、落とし穴も多いという現状が浮かび上がった。相談を受ける弁護士は「リスクを認識してサービスを活用してほしい」と呼び掛ける。

 仙台市の男性(70)は8月、家族写真などの画像データを保存するため、ネットオークションで容量256ギガバイトのSDカードを落札、1220円で購入した。商品が届き、実際に画像を取り込むと32ギガバイト分のデータしか取り込めなかったという。

 カードを入れたコンピューター画面上で偽った容量が表示されるよう細工され、ラベルにも偽造した形跡があった。男性は国内外のネットオークションを20年以上前から利用してきたといい「偽物を購入したのは初めて。出品者も市内在住だったので信用していたのに残念」と話す。

 経済産業省によると、ネットオークションやフリマアプリの推定市場規模は広がり続けており、2016年の統計開始以来の推移はグラフ(上)のようになっている。

 全国の消費生活センターへの相談件数もグラフ(下)の通り、増加が続く。国民生活センターによると「商品が偽物だったのに出品者が返品に応じない」「商品が偽造品だとして購入者から代金が支払われない」などの相談が中心という。

 仙台弁護士会の有志でつくる仙台ネット被害弁護団にも以前、入手困難な人気ゲーム機を落札し、中身のない箱だけが届いたと相談があったという。

 偽物を売られるなど悪質な事例もあるが、事務局長の宮本洋一弁護士は「むしろ売る側と買う側で認識が異なり、トラブルになる場合が多い」と指摘する。

 サービスが浸透し少額の取引が盛んになった一方、個人間取引に不慣れな利用者が購入後に届いた商品の質に満足できず「だまされた」と被害を訴えるケースが目立つという。

 宮本弁護士は「安さには理由があると認識して過度な期待はせず、取引相手の信頼性や条件を見極めながら楽しく利用してほしい」と話す。(河北新報社提供)