東天(とうてん)書道会(本部・藤崎町、佐々木天道(ささきてんどう)会長)に通う青森市浪岡北小6年の佐藤仁理(さとうじんり)君は2019年、二つの全国大会で最高賞に輝(かがや)きました。これまでも数々の大会で好成績を残した佐藤君は、中学校進学後もますます書道を頑張(がんば)ると意気込(ご)みます。その佐藤君に今年1年間の自分自身を表す漢字1字と、来年の目標の漢字2字を書いてもらいました。そこに込(こ)められた思いとは…。
佐藤君は1年生から書道を習い始め、勉強熱心でまじめな性格からメキメキと腕(うで)前(まえ)を上げます。2年生の時の「全国学生防災(ぼうさい)書道展(てん)」文部科学大臣賞をはじめ、昨年までに全国一を5回獲得(かくとく)しました。小学校生活最後の今年。弘法大師(こうぼうだいし)奉賛(ほうさん)高野山競書大会で「根本大塔(こんぽんだいとう)」と書いて「弘法大師賞」、続く曹洞宗(そうとうしゅう)青少年書道展でも「坐禅(ざぜん)」の字で「曹洞宗管長賞」と、相次いで最高賞に輝きました。
佐藤君を指導(しどう)する佐々木先生は「努力家で、ものすごく“清潔(せいけつ)”な字を書く。中学でもっと伸(の)びていける」と、お墨(すみ)付きを与(あた)えてくれます。ちなみに、佐藤君が好きなのは「風」や「気」などの「跳(は)ね」部分まで続く「反り」部分。筆先がばらつかず勢いよく書けた時は何とも言えないほど気持ちがいいそうです。
▼今年1年を表すと「実」、来年から中学生 目標は「前進」
そんな佐藤君が今年の漢字に選んだのは「実」。「小学校生活の集大成としてすべての大会の作品は心を込めて仕上げ、二つの最高賞という形で努力が実ったから」と話します。来年の目標には「中学校という新しい環境で、何事にも努力して少しずつ前に進みたい」と、「前進」と書きました。
「新しい課題に対して仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、あきらめずに乗り越えた時、少しは成長できたかなと思える」と話す佐藤君。「中学では書体が楷(かい)書(しょ)から行(ぎょう)書(しょ)に変わって大変だと思うけれど、もっと多くの人に書道を広められるよう頑張りたい」と目を輝かせます。