小学館の週刊(しゅうかん)少年サンデーで連載(れんさい)中の「舞妓(まいこ)さんちのまかないさん」が人気を集めています。作者は十和田市出身の小山愛子(こやまあいこ)さん=横浜市在住(ざいじゅう)。京都の花街(かがい)に暮(く)らす舞妓の日常(にちじょう)を描(えが)いた漫画(まんが)ですが、青森県の景色や郷土(きょうど)料理も登場します。
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作品は青森から京都にやってきた16歳(さい)の少女・キヨが、舞妓たちが一緒(いっしょ)に生活する家、屋形(やかた)(置き屋)で毎日の食事を作る「まかないさん」として働く物語です。舞妓修業(しゅぎょう)を頑張(がんば)る少女たちを、キヨの作るあたたかな家庭料理が癒(い)やし応援(おうえん)していきます。
料理が得意なキヨは、親子丼(どん)や唐揚(からあ)げといった家庭料理のほかにも、なべっこ団子(だんご)やあずきばっと、かますもち、干(ほ)し餅(もち)のバター焼きなど青森県の郷土料理やゆかりのおやつも作ります。
ほかにも、キヨのふるさととして十和田市を参考にした景色も登場します。作者の小山さんは、10歳まで十和田市で暮らしていました。漫画には、小山さんの子どものころの記憶(きおく)や体験も生かされているそうです。
青森県ではどんな子ども時代を過(す)ごしましたか、と質問(しつもん)すると、小山さんは「小学生まででしたから自転車で行ける範囲(はんい)しか世界がなかったし、特別なこともなにもなかったけど、不思議と幸せな記憶しかないです」と振(ふ)り返りました。
ジュニジュニ読者の皆(みな)さんへ、小山さんは次のようなメッセージをくれました。「子どものころに住んでいた町は、なぜかずっと特別な気がします。私(わたし)の町は田んぼと畑と今は廃線(はいせん)になったかわいい電車の通る町でした。この町のここがいい、あそこが自慢、というものは私にはないですが、ずっと特別なんです。だからいつか思い出す時、たくさん思い出せるようによく見ておくといいかもしれません。いつかきっと楽しいから」