青森市の浪岡中学校1年生の兼田(かねた)大志(たいし)君(12)が、その特技(とくぎ)で注目を集めている。特技というのは、折り紙。でも、想像(そうぞう)する折り紙とちょっと違(ちが)う。何百という手順と複雑(ふくざつ)な技巧(ぎこう)を凝(こ)らし、昆虫(こんちゅう)や動物を作る「超複雑系(ちょうふくざつけい)(スーパーコンプレックス)」という作風なんだ。同市浪岡交流センター「あぴねす」でこのほど、個展(こてん)が開かれ、訪れた人たちは一枚の紙から広がる無限大の創造性に魅せられていたよ。
会場には不死鳥(フェニックス)、フクロウ、ライオン、クワガタ…など30点がずらり。尊敬(そんけい)する折り紙作家である神谷哲史(かみやさとし)さんの折り図を見て作った。作品を見た女鹿沢(めがさわ)小学校4年生の坂本真唯(さかもとまい)さん(9)は「折り紙でここまでできるなんてすごい。細かい部分まで丁寧(ていねい)」と話していました。
展示(てんじ)品の中で一番大きいのが、全長約30センチのフェニックス。65センチ×65センチの紙を使った。切ったり、のりで貼(は)り付けたり一切(いっさい)せず、225以上もある工程(こうてい)を5時間かけて折り上げた大作だ。間近に見ると今にも飛び立ちそうな迫力(はくりょく)! また、兼田君はオリジナルの創作(そうさく)にも意欲的(いよくてき)で、「剣闘士(けんとうし)」などがある。
兼田君が折り紙に熱中するきっかけは、6歳(さい)で作ったペンギン。正方形の紙から全く違(ちが)う形の物体が出来上がることに興味(きょうみ)を持ったんだって。毎日折り続け、小学校入学後、現在(げんざい)の作風を身につけていった。時間があれば、何か作っているんだって。学校で友達のリクエストに応(こた)えることも多いそうだよ! 兼田君は「もっと技術(ぎじゅつ)を高めたい。折ったものの表情(ひょうじょう)をもっと豊(ゆた)かに出せるようになりたい」と話していたよ。