これまでの日韓関係の歩みや今後の行方などについて語る李氏

 東奥情報懇談会10月例会が18日、青森市の青森国際ホテルで開かれ、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授の李鍾元(リージョンウォン)氏が「東アジアの新冷戦と日韓関係の行方」と題して講演した。李氏は日韓関係は危機的状況にあると指摘し、「経済的な相互利益や中国にどう対応するか冷静に考えることが打開策につながる」と述べた。

 李氏は戦後の日韓関係について、戦後の断絶と衝突の時代、日韓国交正常化以降の国家間や経済を基盤にした時代、社会的交流拡大の時代を経て、歴史問題が噴出した現在に至るまで、ほぼ20年おきに変遷していると説明。現在は、かつてに比べ、世論の影響力が大きくなったことや日韓の国力の差が縮まったこと、中国の台頭などを挙げ「関係は構造的に変化している」と語った。

 また、日韓関係悪化の根底には両国の歴史認識の溝があるとし、1965年の日韓基本条約は「あいまいな玉虫色の政治決着だった」と述べた。

 現状の日韓関係の悪化については、日本では「謝罪疲れ」現象が発生し、韓国側では慰安婦や徴用工を巡る裁判所の判決や2015年の慰安婦問題の日韓合意が火種となっていると説明した。

 日本による韓国への半導体材料の輸出規制強化にも触れ「これまでは歴史と経済、安全保障は分離した問題だったが、今は連動している」と述べ「日韓関係は新たな次元に入りつつある」と強調した。