避難所となった八戸市白銀公民館でテレビのニュースを見守る住民=12日午後5時10分

 台風19号の接近に備え、青森県内各地の住民らが12日午後から避難所に身を寄せた。「怖い」「被害がなければ」。住民は不安を募らせ、警戒を強めた。

 避難開始を呼び掛ける警戒レベル4の避難勧告が一部に出された八戸市の白銀公民館には、同日午後1時ごろから付近住民が集まり始めた。母のキヨさん(79)と姿を見せた秋山ルリ子さん(49)は「海のそばに住んでおり、家にいると怖い。母が高齢なので早めに避難した」と心配そうだった。

 三沢市上久保小学校に親子で避難した男性(64)は「自宅が何度も浸水したことがあるので大事を取った。水が少しずつ上がってくる様子を見たくない」と語った。

 黒石市の中部公民館に妻と自主避難した男性(71)は「家の床下浸水が心配で避難した」と話した。青森市の浪岡中央公民館の自主避難所を近所の70代女性と訪れた同市の60代女性は「屋根が飛んだら大変。一緒に居られて心強い」。

 五戸町立公民館の自主避難所へ、午後4時の開設直後に入った同町の戸田光夫さん(60)は「ものすごい台風が来るとは前々から聞いていたので、高齢者のことを考えると役場の対応は少し遅く感じる」と不満を漏らした。

 一方、弘前市のリンゴ園地では農家が収穫や選果を急いだ。雨が降る中、紅玉を選果した山形正人さん(61)は「これまでの進路を考えると影響は大きくないと思うが、やはり気がかりだ」と話した。

 八戸港の館鼻岸壁や新井田川河口付近では、多くの漁船がロープで頑丈に係留されていた。南部町では馬淵川の氾濫に備え、1メートル超の大型土のうを道沿いに積む作業が行われた。現場を監督した中沢和智さん(44)は「大きな被害がなければいいが…」と不安げだった。