「雪にはまって車が動かない」「タイヤがパンク」「鍵(かぎ)を車内に置いたままロックしてしまった」—など車にトラブルが起きたときに電話一本で現場(げんば)に駆(か)けつけてくれるのが、ドライバーの強い味方「ロードサービス隊」です。今回紹介(しょうかい)するのは、青森市の日本自動車連盟(にほんじどうしゃれんめい)(JAF)青森支部(あおもりしぶ)に所属(しょぞく)する沼沢博重(ぬまさわひろかず)さん(26)です。入社2年目の新人です。「救援(きゅうえん)後(ご)、お客さまからの『助かった、ありがとう』の言葉が何よりもうれしいです」と、この仕事のやりがいを話します。
沼沢さんは専門学校(せんもんがっこう)を卒業後、整備工場(せいびこうじょう)の整備士(せいびし)として働いていましたが、22歳のときにJAFの仕事に密着(みっちゃく)したテレビ番組を見て「ロードサービス隊」に一目ぼれ。整備士としての経験(けいけん)と技術力(ぎじゅつりょく)を武器(ぶき)に憧(あこが)れのJAFへ就職(しゅうしょく)を決めました。
ロードサービス隊は、車に関する全(すべ)てのトラブルに対応(たいおう)しなければいけません。そのため「自動車整備士」の資格(しかく)は欠かせません。
トラブルが起きた車を速(すみ)やかに点検(てんけん)し、応急処置(おうきゅうしょち)をほどこし、車が走れるようにします。その場で整備できない車はレッカー車で整備工場までけん引します。
冬は、タイヤが雪にはまり動けなくなることが多く、救援(きゅうえん)依頼(いらい)が相次ぎます。一人で担当(たんとう)する件数(けんすう)は、1日平均(へいきん)7〜8件に上ります。しかし、大雪だった昨冬の出動件数は、1日に20件担当したこともあったといいます。忙(いそが)しいときは休んでいる暇(ひま)などありません。救援が終わるとすぐにまた次の現場へ急行します。
沼沢さんは「路上で作業するので、安全への配慮(はいりょ)は欠かせません。お客さまの身の安全と自分の身を守ることが鉄則(てっそく)。また、気が動転しているお客さまが多いので、安心させてあげることも大切です」と日々の心掛(こころが)けを話します。
子どもたちへ「車が好きなことはもちろん、人と接(せっ)するのが好きな子が向いています。さらに、素直(すなお)な心を持ち、元気なあいさつができれば大丈夫(だいじょうぶ)でしょう。大変な分、とてもやりがいのある仕事ですよ」とアドバイスをくれました。