石臼で挽いた地元の十割そばと、ミズやキノコなどの山菜を一緒に味わえる夏の創作メニュー「暗門の滝そば」
関和典 西目屋村村長
村を訪れる行楽客に人気の水陸両用バス

 津軽平野を潤す母なる流れ岩木川。その源流は秋田県境に近い青森県西目屋村の白神山地・雁森(がんもり)岳(標高987メートル)を発し、やがて日本海に注ぐ。世界遺産と水源の里の名物として、村が売り込みに力を入れる「白神そば」は、石臼挽(び)きならではの豊かな風味が自慢だ。

 白神そばが味わえるのは、道の駅「津軽白神 ビーチにしめや」。ビーチは砂浜(beach)ではなく、白神山地の代名詞ともいえるブナ(beech)のこと。併設された加工場「味な工房」に持ち込まれた村内農家のソバは、製粉作業の熱で風味を損なわないよう、ゆっくり、じっくり石臼で挽かれる。

 村内で栽培されている品種は寒冷地に適した北海道生まれのキタワセソバで、道の駅では、つなぎを使わない十割そばで提供している。メニューには、定番のざるそばのほか、村内で豊富に採れるミズやワラビ、キノコを添えた温かいそば、観光名所「暗門の滝」を白髪ネギで表現した季節の創作そばなどが並ぶ。

 道の駅は今年4月にリニューアルし、カフェや直売コーナーが充実。生ハチミツと一緒に味わうスイーツなども好評で、客足が例年の3割増しペースで伸びた。収穫が近づいたソバの生育も順調といい、桑田翼駅長は「11月ごろ始める新そばキャンペーンもお楽しみに」と呼び掛ける。

▼「津軽を潤す白神の自然」/関和典西目屋村村長

 西目屋は、県内で一番小さな山村(人口1373人・9月2日現在)ですが、白神山地から注ぐ流れを集めた津軽ダムによって流域を潤す重要な役割を担っています。

 村の豊かな水と土を象徴する産物が「白神そば」です。冷涼な気候に適し鳥獣害の心配が少ない作物なのでコメ農家による転作が広がり、今は大勢の方が「とてもおいしい」と食べに来てくれるようになりました。

 津軽白神湖の周辺にある縄文遺跡で出土した遮光器土偶などからも、人々の営みが自然の恵みに支えられていたことが分かります。水陸両用バスで景色を楽しむだけでなく、カヌーやラフティングを楽しめる環境も整いましたので、もっともっと多くの方に来ていただきたいですね。

▼世界遺産 行楽の秋へ 水陸バスツアーも再開

 世界自然遺産・白神山地の玄関口でもある西目屋村は、秋の深まりとともに緑豊かな山々が紅葉し彩りを増す。夏場の少雨で渇水が伝えられていた津軽ダムの水位も回復し、名物の水陸両用バスによる津軽白神湖・ダムレイクツアーも9月から再開した。

 樹齢300年クラスのブナ林や津軽峠から一望できる世界遺産地域など見どころが盛りだくさん。トレッキングの疲れを癒やす温泉もある。問い合わせは村産業課(電話0172-85-2800)へ。