みんなはきちんと栄養バランスがとれた食事をしているかな? 青森県立中央病院栄養管理部で管理栄養士として働く吉田裕子(よしだひろこ)さん(23)は、一人一人の患者(かんじゃ)に合った栄養バランスを計算し、食事の面から病状(びょうじょう)の改善(かいぜん)をサポートしています。
管理栄養士は国家資格(しかく)で、栄養のスペシャリストと言えます。吉田さんは主に、入院患者の栄養管理や、外来患者への食事指導(しどう)を行っています。また、患者の食事や栄養面について、医師(いし)や看護師(かんごし)、薬剤師(やくざいし)に提案するなど、医療(いりょう)チームの一員として活躍(かつやく)しています。吉田さんは「食事面のサポートによって、患者さんの入院期間が短くなったり、検査(けんさ)の数値(すうち)が改善したりするとうれしいです」と笑顔(えがお)を見せます。
患者さんに栄養指導をする際(さい)は、食品サンプルや各栄養素(えいようそ)が見やすくまとまった表などを用いて、丁寧(ていねい)で分かりやすい説明を心掛(が)けます。「患者さんが説明をよく理解(りかい)して納得(なっとく)し、実(じっ)行(こう)してみようと思わなければ、実際(じっさい)の食生活は変わりません。説明後、実際に食生活を変えてもらうまでがなかなか大変ですね」
吉田さんが栄養について興味(きょうみ)を持ち始めたのは、自身のダイエットの失敗がきっかけでした。「痩(や)せるために無理な食事制限(せいげん)で体重を減(へ)らしたことがありましたが、体力がなくなったり、体調を壊(こわ)したり…そういう中で、正しい食事って何だろうと思い、管理栄養士を目指すようになりました。私(わたし)のように、間違(まちが)った食事によって体調を崩(くず)す人が少しでも減ってくれればいいですね」と語ります。
患者からの相談を受けたり指導する立場にあるため、自分自身が健康でいることも仕事の一つです。「お手本になるため、食生活には人一倍気を使っています」
栄養関係の仕事に興味を持っているみんなへ、「なぜ?と思うことがあったら、自分で調べたり、周りの大人に聞いたりして答えを探(さぐ)ろうとする、研究熱心な姿勢(しせい)が大事です」とメッセージをくれました。