県俳句大会 泉さん(弘前)知事賞 特別選天位は千葉さん(弘前)

 東奥日報社と東奥日報文化財団主催の第73回県俳句大会が8月25日、特別選者に俳句同人誌「群青」共同代表の櫂(かい)未知子氏を迎え、青森市のリンクステーションホール青森で行われた。県内各地から179人が参加し、特別選、席題、宿題の合計得点を競った。総合1位の県知事賞には、弘前市の泉風信子(ふうしんし)さん(84)が輝いた。

泉風信子さん

 

 

 

 

 泉さんは「水打つて鯨幕より父発たす」(宿題「打水」)などの句で合計14点を獲得。表彰式後の取材に「20代の頃から参加してきて初めての総合1位。伝統あるあこがれの大会でやっと夢がかなった。いい励みをいただいた」と笑顔で語った。
 特別選「夏季雑詠」の天位には、千葉新一さん(弘前市)の「よく見れば慈悲の貌してがまがへる」が選ばれた。また、櫂氏が「おいしい俳句」と題して記念講演を行った。
 大会では、開会と同時に二つの席題「通草(あけび)」「蝗(いなご)」が発表され、参加者が句作に取り組んだ。記念講演は特別選者の櫂(かい)未知子氏が、「食」にかかわる古今の作品を紹介しながら俳句が持つ多様な表現の魅力を熱く語った。
 食べ物を扱った句集を出版するなど、食を作句の一環に据えてきた櫂氏。「わが妻に永き青春桜餅」(沢木欣一)、「カステラに沈むナイフや復活祭」(片山由美子)などを例に、食を詠んだ俳句で、何気ない日常や家族との思い出を表すことができることを説明した。
 さらに「俳句は食べ物が作品の中心になり得る珍しい詩型で、このような文芸は世界中探してもない」と指摘。「食べることは生きること。その行為を詩にできることが俳句のぜいたくさ。“おいしそうな俳句”を作って豊かな俳人ライフを送って」と呼び掛けた。
 また、松山市でこのほど行われた俳句甲子園で初優勝した弘前高にも言及。「他校の指導で現地を訪れていたが、弘前高は作品、議論とも上品で、まさに優勝に値した。高校生だけでなく今大会の作品も含めて青森の俳句レベルの高さを実感した」と話した。

真剣な表情で席題に取り組む参加者

 

 

 

 

 

 青森市の宮川暢子(のぶこ)さんは「身近な例を用いた食の話はとても分かりやすかった。食にちなんだ俳句を作ることはあまりなかったけれど、今後の作句の参考にしたい」と話した。
 大会ではこのほか、席題が8氏による4人一組共同選で、各選者が披講。宿題「打水(うちみず)」は選者12人を代表して高橋千恵氏が披講した。

 大会結果は次の通り。
 ◇総合 (1)泉風信子(弘前)(2)草野力丸(深浦)(3)浜田しげる(青森)(4)小野寿子(同)(5)田端千鼓(八戸)(6)日野口晃(十和田)(7)小笠原聖子(八戸)(8)中村しおん(十和田)(9)清野さくら(青森)(10)木村あさ子(弘前)(11)西川無行(八戸)(12)蒲田吟竜(深浦)(13)葛西幸子(五所川原)(14)三野宮照枝(八戸)(15)小野寺和子(同)(16)松宮梗子(五所川原)(17)柏原昭三(青森)(18)太田直樹(同)(19)金田一一子(大間)(20)坂本幽弦(弘前)
 ◇特別選 ▽天位 千葉新一(弘前)▽地位 木村あさ子(同)▽人位 佐々木寿子(十和田)