16歳(さい)以下のソフトボール女子日本代表の17人のメンバーに、弘前市立第二中学校3年の須藤志歩(すとう・しほ)さん(14)が東北6県からただ一人選ばれました。見た目は普通(ふつう)の中学生ですがバッティング、守備(しゅび)、走塁(そうるい)のバランスがとれた東北ナンバーワンの選手と評価(ひょうか)されています。
須藤さんは城西(じょうせい)小学校3年の時に野球部に入り、6年になると男子を押(お)しのけて4番・一塁手のレギュラーをつかみました。弘前二中ではソフト部の遊撃手(ゆうげきしゅ)兼(けん)投手として活躍(かつやく)。1年の時は俊足(しゅんそく)を生かすために1番を打ち、やがて4番を任(まか)されました。今年6月の中学総体(そうたい)弘前地区大会決勝では、約70メートル先のネットを越(こ)えるホームランを打ち、投げては7回を0点に抑(おさ)えて優勝(ゆうしょう)に貢献(こうけん)しました。
野球とソフトボールが好きなのは「兄2人の影響(えいきょう)だと思います」と須藤さん。お兄さんの達也(たつや)さん(20)と健也(けんや)さん(17)はそれぞれ、八戸工業大学と東北高校(仙台市)の硬式(こうしき)野球部員。小さい頃から、お兄さんたちと遊びながら野球の練習をしてきたのです。
日本代表として来月、台湾に遠征(えんせい)するため、市内の町田地区ふれあいセンターで練習を積んでいます。土のグラウンドで高坂(こうさか)正勝(まさかつ)コーチからノックを受けたり、素振(すぶ)りをしたりして実戦に備(そな)えています。「素振りは回数を決めずに、自分の納得(なっとく)がいくまでやります」というほど練習熱心。2020年の東京五輪でソフトボールが正式種目に復活(ふっかつ)したら「日本の4番を打ちたい」と意気込(いきご)んでいます。
目標はソフトボール前日本代表監督(かんとく)で、選手としても大活躍(かつやく)した斎藤(さいとう)春香(はるか)さん(弘前市職員(しょくいん))。斎藤さんは「ライナーでフェンスを越える須藤さんの打球はすごいし、守備も抜群(ばつぐん)。20年に1人の選手」と評価し、期待を寄(よ)せています。