深浦町立深浦小学校(石岡誠子(いしおかせいこ)校長)の3年生は本年度、総(そう)合(ごう)学習の授業で世界自然遺(い)産(さん)に登録されて20年を迎(むか)えた白神山地の自然を学んでいます。クマなどを狩猟(しゅりょう)するマタギの話や山歩きはびっくりすることばかり。古里は動植物の宝庫(ほうこ)であるということがよく分かってきました。
郷(きょう)土(ど)に深い愛(あい)情(じょう)を持ってもらおうと学校が企(き)画(かく)しました。先生役には3年前から深浦町に暮らす写真家浜田哲二(はまだてつじ)さん(50)、ライターの律子(りつこ)さん(49)夫(ふ)妻(さい)や、動植物をとって生活してきた同町のマタギ伊勢勇一(いせゆういち)さん(74)が務(つと)めています。
山を知る伊勢さんの話は児童たちが今まで聞いたことがないものばかり。特に伊勢さんが若(わか)いころ、山で出くわした子連れのクマと30分以上にらみ合った末、けがもなく無事に帰ってきた話は大受け。児童は「クマと戦ったすごい人」などと感想を記しました。今や伊勢さんは児童に「親方」と呼(よ)ばれる“ヒーロー”です。
9月にはマタギの道具の説明を受けました。10月には十二湖周辺を散(さん)策(さく)しながら自然を体感するフィールドワークを行いました。31人の児童は目を輝(かがや)かせながら「これは食べることができる草?」「あの鳥の鳴き声は何」と一緒(いっしょ)に歩いた伊勢さんや浜田さん夫妻を質(しつ)問(もん)攻(ぜ)めにしました。
山崎天平(やまざきてんぺい)君は「どのキノコに毒があるのかすぐに見分けることができる親方はすごい」と感心していました。担任(たんにん)の棟方(むなかた)いづみ先生は「実物を見ることで、子どもたちは自然の素晴(すば)らしさを実感したようです」と話しています。
3年生は26日の学習発表会で白神の森と動物をテーマにした劇(げき)を披露(ひろう)する予定です。