■ リンゴ農家/「おいしい」の声ご褒美 (2013年10月8日掲載)

収穫時期を控え、リンゴや葉の状態を真剣なまなざしで確認する木村さん
 

 「シャキシャキしてて甘(あま)い。んめ〜リンゴを消費者に届(とど)けたい」と力強く話すのは、弘前市のリンゴ農家木村渉(わたる)さん(31)。木村さんのリンゴ園は岩木山の麓(ふもと)、同市三和地区にあります。辺りは一面リンゴ畑です。

 木村さんの農園では、サンつがる、トキ、弘前ふじ、紅玉(こうぎょく)、おいらせ、サンふじなどを育てています。木村さんはリンゴ農家である両親の背中(せなか)を見て育ちました。高校卒業後は、両親の下で修業(しゅぎょう)を重ね、現在(げんざい)は木村家のリンゴ園「北のりんご園」の大黒柱として忙(いそが)しい日々を送ります。

 木村さんはリンゴと関(かか)わる時間が深まるほど「リンゴ本来の力をもっと引き出す方法はないか」という思いを強く持つようになりました。そんな時、他のリンゴ農家が先駆(さきが)けて行っていた葉とらずリンゴの存在(そんざい)を知り、刺激(しげき)を受けます。

 見た目がきれいなリンゴは消費者に喜ばれますが、木村さんは「見た目を重視(じゅうし)するあまり、人間の都合に合わせた栽培(さいばい)に偏(かたよ)りがちになる部分もある」と言います。目指すリンゴが定まった木村さんは、早速(さっそく)葉とらず栽培に取り組みました。葉を取らない分、太陽の恵(めぐみ)みをいっぱい受けて育ち甘みが増(ま)すといいます。「毎日、木や葉、実の状態(じょうたい)を見ていると、リンゴの“声”が聞こえてきます。その“声”に耳を傾(かたむ)けて作業しています」と木村さんは言います。

 リンゴの栽培は雪解(ゆきど)け後、枝(えだ)の剪定(せんてい)から始まり、肥料(ひりょう)まき、農薬散布(さんぷ)、摘花(てきか)…と続きます。太陽が昇(のぼ)る前から作業にとりかかるときもあります。また、ヒョウや台風などの自然(しぜん)災害(さいがい)に見舞(みま)われることもあり、体力だけでなく忍耐力(にんたいりょく)も要求されます。それでも、木村さんはリンゴ栽培が楽しいと言い切ります。「消費者の『おいしい』が何よりのご褒美(ほうび)。やっててよかったと思える瞬間(しゅんかん)だね」と木村さんは話しています。


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