東北町は2005年に東北町と上北町が合併(がっぺい)して誕生(たんじょう)した町です。上北地方のほぼ中央部に位置しています。全国で11番目に広い小川原湖(おがわらこ)は「小川原湖191番地」という番地を持っています。地元の住民からは「宝沼(たからぬま)」と呼(よ)ばれ、豊富(ほうふ)な魚介類(ぎょかいるい)がとれます。
中でもシラウオとワカサギ、天然ウナギの水揚(みずあ)げ量は日本一を誇(ほこ)っています。ヤマトシジミも日本有数の産地で、ほかにもコイやフナなども生息しています。
今年のシラウオとワカサギの秋漁が2日、始まりました。来年3月中旬(ちゅうじゅん)まで、漁師(りょうし)さんたちは早朝から沖(おき)に出て、引き網(あみ)漁に精(せい)を出します。高級魚のシラウオは1キロ2千円前後で取引され、主に首都圏(しゅとけん)や関西方面に出荷(しゅっか)されています。
シラウオは本来、水揚げ後すぐに死んでしまうデリケートな魚ですが、同町の「活(かつ)シラウオ販売(はんばい)研究会」会長の蛯名正直(えびなまさなお)さん(63)が独自(どくじ)の研究で生かす技術(ぎじゅつ)を開発し、全国でも珍(めずら)しい活魚販売を行っています。蛯名さんが経営(けいえい)する飲食店では町内で唯一(ゆいいつ)、生きたままのシラウオを提供(ていきょう)しています。
昨年は猛暑(もうしょ)の影響(えいきょう)などで水揚げ量が減(へ)りましたが、今年は水温が平年並(な)みのためシラウオが元気に泳ぎ回り、豊漁(ほうりょう)が期待されています。