五戸町の五戸中学校野球部に今年夏、初めての女子部員が2人入りました。2年の松浦倫(まつうらりん)さんと奥寺(おくでら)茉夏(まな)さん。所属(しょぞく)していたソフトボール部が人数不足で廃部(はいぶ)となり、大好きな野球をしたいと、野球部の門をたたきました。入部から1カ月、男子部員と比べると力不足を感じることもある2人ですが「女子でも頑張(がんば)れば、レギュラーを取れることを見せたい」と、厳(きび)しい練習に励(はげ)んでいます。
同校野球部は今年夏の県中学総体(そうたい)にも出場した強豪(きょうごう)で、2人の加入で部員は12人になりました。松浦(まつうら)さんと奥寺(おくでら)さんは小学校時代、別々の野球チームでレギュラーとして活躍(かつやく)し、県大会にも出場したほど。しかし、転部当初は男子部員のパワーや送球の速さ、テンションの高さに大きなギャップを感じたそうです。
デビュー戦は5日の五戸地区防犯(ぼうはん)少年体育大会。松浦(まつうら)さんは初戦、代打出場し見逃(みのが)し三振(さんしん)でしたが、決勝ではボールを見極(みきわ)め四球で出塁(しゅつるい)しました。腕をけがして試合に出られなかった奥寺(おくでら)さんも、一塁(るい)コーチャーとして選手に一生懸命(けんめい)声をかけていました。
「バットは振(ふ)れなかったけれど、四球を選ぶ仕事は果たせた。男子のように大きな当たりを打ちたいな」と目を輝(かがや)かせる松浦さん。奥寺さんも「故障(こしょう)を直して試合に出場したい。強い打球を放ち、女子でもやれるところを見せたい」と意欲(よく)満々。
そんな2人に男子もエールを送ります。丸屋洸貴(まるやこうき)キャプテン(2年)は「倫(りん)は守備(しゅび)がうまく、茉夏(まな)もバッティングがいい。不安な面があるだろうけど、俺(おれ)たちがカバーする」ときっぱり。久慈一徳(くじかずのり)監督(かんとく)も「試合に出られる実力は十分ある。男子も刺激(しげき)を受けたようで、競争心や向上心が生まれています」と話します。
「チームワークがよく、楽しくプレーするみんなと野球できることがうれしい」と声を弾(はず)ませる2人。とびきりの笑顔(えがお)とガッツの“リン・マナ”コンビはきょうも、仲間とともにグラウンドで白球を追いかけています。