521歩

野営場で語らう(右から)菅原さん、坂本さん、服部さん=地図(1)

 薬研公共駐車場を出発し県道を東に向かうと「薬研野営場」の看板が見える。芝生の広大なキャンプサイトは坂本清さん(66)が管理を担当する。「ここは温泉が近く、コインランドリーやWi-Fiがあってごみも捨てられ、買い物するにも近いから生活がしやすい。長期滞在する人も結構いる」と坂本さん。

 毎年春から秋にかけて、同野営場を拠点に県内などを巡っている宇都宮市の菅原勝己さん(82)は「体に悪い物が全然ない。水、空気、緑、温泉があって、心の洗濯にちょうどいい」と話す。4月から滞在中の茨城県の服部誠さん(82)も毎年、春と秋に同野営場を訪れている。今年は坂本さんとともに野営場の水場を整備したといい「長くくつろがせてもらっているからね。自分の家の庭をいじるのと同じ感じだよ」と語った。

 1810歩

バイクで旅する酒井さん(左)と民宿のオーナー八谷さん=地図(2)

 県道を西に進むと大きなバイクが見えた。1200ccのバイクは茨城県の酒井昭さん(63)の相棒だ。酒井さんは同県土浦市の自宅を出発し、北海道などを巡る18日間の旅の道中に「民宿あすなろ」に立ち寄った。「薬研はフェリーで北海道に渡るのに便利なんだ」と話す。

 民宿のオーナー八谷育男さん(53)によると、同民宿はバイク客向けに格安で宿泊場所を提供する「ライダーハウス」としても営業。バイク客の需要は高く、今年は既に100人を超えたという。酒井さんは「ライダーハウスは基本的に寝具がない。自分で用意するからこんなに荷物が多い」と見せてくれた。

 5101歩

薬研渓谷に架かる乙女橋=地図(3)

 県道沿いを歩いていると遊歩道の看板がちらほら出てきた。看板に誘われ、遊歩道に入ると「乙女橋」というつり橋があった。橋の真ん中で写真を撮ろうと立ち止まると、突然揺れを感じて足がすくんだ。カメラを落とさぬようリュックから慎重に取り出し、涼しげな渓谷やつり橋を写真に収めた。

 5804歩

かっぱの湯の浴場を横切るヘビ=地図(4)

 そろそろTシャツが汗ばんできた。野営場で教えてもらった無料の露天風呂「かっぱの湯」に入る。他に人がいないと思ってカメラを構えると、視界の端にうごめくものが。1メートルを超すヘビの登場に思わず悲鳴を上げてしまった。ヘビが浴場を横切って行ったのを確認してから、湯につかる。ちょうど良い湯加減と渓谷の音が心地いい。

 7469歩

「地元の食材を使ったメニューがおすすめ」と話すめぐみさん(右)たち=地図(5)

 体も気持ちもさっぱりして「奥薬研レストハウス」に入るとスタッフの坂本めぐみさん(39)たちが出迎えてくれた。「6月中旬から提供するサーモン丼が一番の名物。今はイカスミラーメンがおすすめ」とめぐみさん。本来なら名物を頼むところだが、湯上がりにはやっぱり冷たい物が欲しいと、マンゴーソフトクリームを注文。さっぱりとした甘さで、ところどころに入っている果肉がおいしい。旅の疲れも溶けてしまいそうだ。