青森市に住む漫(まん)画家(がか)・仁山渓太郎(にやまけいたろう)さん(29)=ペンネーム=の漫画「津軽先輩(せんぱい)の青森めじゃ飯(めし)!」の単行本第1巻(かん)が発売されました。秋田書店のウェブ漫画配信サイト「マンガクロス」で連載(れんさい)中の漫画で、東京から青森の新聞社に入社した主人公・都飯美(みやこめしみ)が、職場(しょくば)の「津軽先輩」と一緒(いっしょ)に各地を巡(めぐ)り、ご当地グルメなど青森の魅力(みりょく)を発見していく物語。漫画では、県内各地のグルメが満載(まんさい)。主人公が食をきっかけに、成長するドラマも見どころです。地元で漫画家になる夢(ゆめ)をかなえた仁山さんは「友達とわいわい楽しめる、明るい漫画を描(か)き続けたい」と話しました。
仁山さんは、学生のころから漫画家に憧(あこが)れていました。大学卒業後、一度は東京で別の仕事を目指しましたが、うまくいかず青森市に戻(もど)ることに。悩(なや)んでいたところ、昔からの夢を思い出し24歳(さい)で本格的(ほんかくてき)に漫画家を目指し始めました。 「へば」「ジガジガ」「むっつい」…。津軽先輩たちの話す津軽弁(べん)に、東京出身の飯美はちんぷんかんぷん。それでも地元の人との出会いや、いがメンチ、せんべい汁(じる)、バラ焼きといったご当地グルメを通して青森が好きになっていきます。
漫画を描いては東京の出版社(しゅっぱんしゃ)に持ち込(こ)み続けた仁山さん。不採用(ふさいよう)になる日々が何年も続きましたが、青森県の方言とご当地グルメを題材にした漫画「津軽先輩」を持ち込んだところ秋田書店の目にとまり、昨年5月に念願の漫画家デビューを果たしました。そして、今年4月には単行本が書店に並(なら)びました。
仁山さんは「県内外の書店で完売したと知った時はめちゃくちゃうれしくって、その日は興奮(こうふん)で眠(ねむ)れなくなった」と笑顔(えがお)で話しました。
憧れの夢をかなえた仁山さん。「つらい時もあったけれど、漫画が好きだから乗り越(こ)えられた」と振(ふ)り返ります。青森の子どもたちへ、「大切なのは『素直(すなお)になること』。自分は何が好きで、何をやりたいのか。自分の気持ちに素直になって、夢に向かって頑張(がんば)ってください」とエールを送りました。