「お客さんが沸くようなハイレベルな試合がしたい」と練習に汗を流す木村さん

 打撃あり、投げ技に関節技、絞め技ありの総合格闘技「修斗(しゅうと)」。八戸市出身の木村孔明(こうめい)さん(30)=千葉県市川市在住=は、そのライト級プロ選手だ。「自分をどこまで高められるか突き詰めたい」。建設会社での仕事と両立しながら、道場で日々技を磨く。

 幼稚園のころに剣道を始め、もともと武道に親しんでいた木村さん。剣道に打ち込もうと、高校は実家を離れ青森山田(青森市)に進学した。そこで待っていたのが総合格闘技との出合いだった。

 「部活が終わった後、モンゴル人の相撲留学生とレスリングとか柔道をやってみたのがきっかけ。ほとんど遊びのつもりだったのに、もう楽しくて。剣道より、はまっちゃった。これは奥が深いと」

 高校卒業後、本格的に総合格闘技を始めようと上京。築地市場で競り人として働きながら、東京都港区の道場に入門し、基礎を体にたたき込んだ。

 アマチュア修斗で試合デビューしたのは2009年。「緊張して、全然体が動かなかった」。相手の攻撃を受けるだけになり、TKO負けを喫した。

 その後もアマチュア修斗や格闘技団体「パンクラス」で試合に出場。12年11月には、海外のレベルを体験しようとハワイの格闘技ジムに3カ月間留学した。上京当時は「1回でも試合に出る」ことが目標だったが、経験を積む中で「プロになりたい」という思いが強まった。

 アマチュアや他団体での実績が認められ、15年に日本修斗協会の推薦でプロライセンスを取得。これまでのプロ戦績は2勝3敗。現在は千葉県浦安市の道場に所属するが、東京都内のキックボクシングジムにも通う。「打撃が得意になって、試合で練習以上の動きができるようになってきた」と手応えを語る。11月19日には、東京・新宿でのプロ6戦目が控える。

 真剣勝負が続く厳しい世界に身を置きながら、「健全な心と体ができたことで、どんなときも毅然(きぜん)と構えられるようになった」と木村さん。「昨日より今日、今日より明日と、ちょっとずつ前に進んでいければ」と自らの可能性と向き合っている。