「試合は毎回緊張するけど、リングに上がれば切り替わる」と語る高橋さん

 埼玉県上尾市の錬武舘上尾道場に所属するキックボクサー・高橋美優美(みゆみ)さん(24)=五所川原市出身=は、ニュージャパンキックボクシング連盟ミネルヴァ(女子部門)スーパーバンタム級の日本王者。「お客さんを楽しませる闘い方で、相手を倒したい」と得意の蹴り技に磨きをかける。

 五所川原工業高校を卒業後、就職のため移り住んだ上尾市で2010年10月にキックボクシングを始めた。その理由は「運動不足解消とダイエットのため」。しかし翌年、会長の羽田真宏さん(52)から「記念に一度試合をやってみないか」と声を掛けられたのが転機となった。

 「やりたかったのはこれだ」。新宿で11年9月に行われた試合は、エキシビションの1ラウンド2分間だけ。しかも「ボコボコに殴られた」。それでもリングが持つ魅力に取り付かれた。

 高橋さんは中学・高校時代に空手道場に通っていたが、試合経験はなかった。初めて上がった勝負の舞台を「お客さんの声援を受けて、リングはこんなに楽しい場所なんだと分かった」と振り返る。

 正式デビュー戦は同年11月。判定負けを喫し、勝ちたい思いがさらに膨らんだ。自転車製造の工場に勤務しながら、日曜以外は毎日3時間ほど羽田会長とマンツーマンでトレーニングを積んだ。

 15年10月、新設されたミネルヴァスーパーバンタム級のチャンピオンベルトに挑戦。「相手の気迫がすごかった。でも下がらずに闘えた」。判定で試合を制し、リング上で白いベルトを腰に巻いた。

 「ずっとベルトに憧れていたので、すごく感激して…。会長と抱き合って喜びながら、いろんなことが頭に浮かんだ」。今年4月に初防衛。5月1日に行われた東アジアのタイトル戦は惜しくも敗れたが、日本王者の座は失っていない。

 羽田会長は「格闘技センスがとてもいい。優しすぎるのが弱点で、リング上で意地汚くなればもっと強くなれる」と期待を寄せる。これまでの戦績は13戦6勝(1KO)7敗。高橋さんは「他の団体のタイトルにも挑戦して、いつかは世界の舞台で戦えれば」と汗をぬぐった。