自社で制作しているJALの機内誌「SKYWARD」などを手にする藤田社長

 日本航空(JAL)グループの旅客機は、1日に200機以上が世界を飛んでいる。それらの機内で楽しめる映画やオーディオ番組の企画・選定を担っているのが同グループの「JALブランドコミュニケーション」(東京)。ほかにも国内版・国際版合わせて約18万部を数える機内誌「SKYWARD(スカイワード)」の編集やJALホームページ、カレンダーの制作等、事業の幅は広い。

 八戸市出身の藤田康裕社長(59)=横浜市在住=は同社トップとなって7年目。「お客さまに最高のひとときを届ける-という意識を(社員には)持たせています。お客さまが笑顔になる場面を想像して、(コンテンツを)創造する気持ちが大事」と思いを語る。

 小中野中学校、八戸高校から都内の大学へ進学。1980年に東亜国内航空(現JAL)に入社した。

 航空業界を志した理由は、羽田空港や三沢空港で見た光景だった。涙を流して別れを惜しむ人々、笑顔で出迎える人々-。ロビーで繰り広げられる人間模様に魅せられた。「こういう場面を身近に感じられる仕事っていいなと思ったんです」

 駆け出しの7年間は千歳空港のカウンターに立ち、航空券の発券から搭乗手続きまで一切を担当。96年には日本エアシステム(現JAL)八戸営業所長として故郷に赴任し、三沢空港発着便の路線拡大に汗を流した。空港の現場で多くの乗客と接したことが、自身の「原点」だと話す。

 JALグループのブランド戦略の要である現職においても、「お客さま視点を貫く」姿勢は変わらない。毎月の会議では、企画に対する自らの意見をその都度表明。親会社からの受託だけに甘んじず、「外でも勝負ができるクオリティー」を目指した結果、他企業や自治体の仕事も受注できるようになった。

 「今も本質的には(飛行機を)利用するお客さまの思いに寄り添える仕事だと思う。自分は恵まれています」と笑顔をみせる。

 多忙な業務の傍ら、県委嘱の「元気あおもり応援隊」にも名を連ね、本県のPRに一役買っている。「やはり故郷は元気であってほしい。どんどん協力していきたいですね」