「在京青森わげもの会」の代表を務める工藤さん(手前)

 昨年、首都圏に暮らす本県出身者の新たなネットワークが誕生した。その名も「在京青森わげもの会」。入会条件は29歳以下であること。既にメンバーが80人を超えている同会の代表が、弘前市出身の会社員工藤駿さん(24)=都内在住=だ。

 弘前高校から慶応義塾大学に進み、2013年春に社会人に。石川県内で1年暮らす中で地方の疲弊を実感し、故郷・青森への思いが募った。

 「青森に戻りたくても戻れない若者たちがいる。東京に居ても青森を応援できる仕組みをつくりたい」

 そんな思いから交流サイトのフェイスブックで呼び掛けを始めたのが昨年8月。「おー、いいね」「一緒にやりたい」。予想を上回る反応があり、県内在住者からも励ましの声が寄せられた。「首都圏に居ても“青森”でつながっていたい人が多いんだなと感じた」

 本県出身の社会人と学生が主体だが、同会に興味を持った県出身者以外の若者も参加している。メンバーは月1回のペースで懇談の場を持っている。

 具体の行動も始まっている。昨年12月には県庁と連携し、板橋区の商店街に期間限定で開店した県産品ショップの運営に携わった。メンバーは来店者への応対を通して故郷の魅力をアピールした。

 若い世代の集まりならではの効果もある。同会は女性の比率が高いが、「子育ては地元でしたいけど、どうすればいい?」「Uターンしたいけど、どうやって交際相手を説得する?」など、同世代の人生相談の場になっているという。

 工藤さんが現在構想を練っているのは「青森ギフトカード」というプロジェクト。県内の農業者などと連携し、さまざまな県産品を取り寄せられるカードを発行する試みだ。「例えば青森出身の人がカードを購入して周りの人にプレゼントすれば、それだけで青森の魅力を伝えることになる」と狙いを語る。

 昨年12月には都内で開かれた県主催イベントで活動を報告し、来場者から励ましを受けた。当面の目標はメンバーを増やすこと。「各市町村の出身者が必ず1人ぐらい居るようになればいいですね」

東京県人会とも連携

 「わげもの会」をつくった工藤さんだが、「既存の団体とのつながりも必要」と今年1月、東京青森県人会に入会した。都内の食品卸会社で働く傍ら、休日を利用して地域活性化をテーマとしたイベント等に出席するなど、情報収集にも余念がない。「いつかは青森と首都圏の両方を拠点とするような仕事がしたい」と夢を語る。