日本の平和と安全を守っている自衛隊。ほかの国からの攻撃(こうげき)や地震(じしん)などの災害(さいがい)、いつ起こるかわからない危機(きき)にすばやく対応(たいおう)するために日々訓練をしています。陸上自衛隊に入隊して5年目の八戸市出身の女性隊員・佐々木歩さん(23)は、「チームワークで動く仕事なので、何かを成し遂(と)げたときの感動はひとしお。チームっていいなと感じる瞬間(しゅんかん)です」と、この仕事の魅力(みりょく)を話します。
陸上自衛隊の仕事は地上戦闘の中心となる普通科や、航空科など16の職種(しょくしゅ)があり、佐々木さんは衛生(えいせい)科に所属(しょぞく)しています。
衛生科の仕事は、患者(かんじゃ)の治療(ちりょう)や医療施設(いりょうしせつ)への搬送(はんそう)、隊員の健康管理、応急(おうきゅう)手当で必要となる包帯やメスといった衛生資材(しざい)の補給整備(ほきゅうせいび)などです。
また、緊急事態(きんきゅうじたい)に備(そな)えるための、救急車両の点検(てんけん)、車内に装備(そうび)されている生命維持装置(いじそうち)や無線機の点検(てんけん)・整備なども行っています。佐々木さんは、これらを完備(かんび)する救急車両のドライバーとして活躍(かつやく)しています。
「父も同じ自衛隊。海外で訓練することもあって、そのときの写真を見せてもらうたびに、すごいな、かっこいいなと感動してました。いつのまにか、自分も自衛隊員になりたいと思うようになって」と、この仕事を選んだ理由を教えてくれました。
採用(さいよう)試験の面接(めんせつ)で「災害派遣(はけん)で頑張(がんば)りたい」と抱負(ほうふ)を述(の)べた佐々木さん。それから3年後に東日本大震災(しんさい)が発生し、現地(げんち)で救援(きゅうえん)活動を経験(けいけん)しました。最も記憶(きおく)に残る出来事だったと当時を振(ふ)り返ります。
「自分に何ができるのか不安もあったけど、日頃(ひごろ)の訓練がとても役に立ちました。あらためて訓練の重要性(せい)を実感したし、直接(ちょくせつ)住民の方と触(ふ)れ合っていろんな声を聞けたことは、とても良い経験でした。被災(ひさい)者の方からの。」ありがとう『の言葉は、なによりうれしくてやりがいを感じました」。
自衛隊を目指す子どもたちへ「なりたいと思う強い気持ちがあれば大丈夫(だいじょうぶ)。精神力(せいしんりょく)や体力は入隊してからでも鍛(きた)えられます」とエールを送ってくれました。