「上りと下りの新幹線がすれ違う時、高架下をくぐると良いことがあるの」とジンクスを語るズレ子さん=東京・三軒茶屋の「茶茶茶」

 むつ市出身ということ以外、年齢も本名も非公表。おねえキャラ全開で自作曲を歌い踊り、爆笑トークで盛り上げる。「東北復興大祭典なかの・青森人(あおもりびと)の祭典」「あおもり10市(とし)大祭典」など本県関連イベントでも活躍中。

 北海道の「マリモに触れたら阿寒湖(あかんこ)」、島根県の「あなた信じて、信じて宍道湖(しんじこ)」など、ご当地ソングのアルバム「日本百歌選」は第2集まで発売中。本県からは、ねぶた祭りと青春のほろ苦さを描いた「夏・恋・ラッセラー」(青森市)、人生の苦難を情念たっぷりに歌う「おんなの九艘泊」(むつ市)がエントリーしている。

 「『奥の細道』の松尾芭蕉や『江戸名所百景』の歌川広重を尊敬していて、旅ものが大好きなのぉ。歌ができて地元の人がものすごく喜んでくれるのもうれしい。私自身が地方出身者ということも大きいかもしれないわネ」

 百歌選のうち約50曲は完成済み。ダジャレや下ネタ満載の曲の一方で、東日本大震災の被災者をしのぶ「桜文」、日本海を舞台に、拉致被害家族を思わせる「鵲(かささぎ)の橋」など、聴く者の心に真っすぐ語り掛ける曲も多い。

 11歳の時にいとこからもらったギターで、フラメンコ版「禁じられた遊び」を聴いた翌日に弾いてみせ、周囲の度肝を抜く。そのころ作曲の楽しさにも目覚めた。高校を卒業して上京。家電販売店、デザイン事務所、映画配給会社などで働きながら音楽活動を続けた。2008年、「マリモに~」が北海道のラジオ番組で人気を呼び、チャンスをつかんだ。

 「青森県民に育てていただいている恩を忘れないワ。いつか青森ゆかりの音楽家を集めた音楽祭を開き、収益は青森県民に還元する。それが今のモチベーションかしら」とほほ笑んだ。

偏見ほぐした歌の力

 自作曲「友人代表」は、結婚披露宴で新郎の親友としてスピーチする男性が、心の奥で彼への秘めた思いをかみしめるバラード。ある日、歌い終えると年配の男性客が「自分は同性愛に良い感情を持っていないが、この歌の切なさは分かる」と号泣した。ゲイへの誤解・偏見を少しでもほどきたい-その願いが音楽活動の原動力になっている。