「お客さまのお話から学ぶことも多い」と語る藤本さん

 首相官邸にほど近い東京・永田町の一角にあるフレンチレストラン「ラ・ロシェル山王」。青森市出身のソムリエ藤本純平さん(27)=東京都北区在住=はチーズプロフェッショナルの資格も持ち、さまざまな料理と相性の良いワインを選んでは顧客に提供している。

 「お客さまは舌が肥えていますし、人によって好みが異なる。シェフがつくり出す四季折々のメニューに寄り添えるワインを-と勉強の日々です。経験を積んで自分自身の情報の引き出しを増やさなくては」と語る。

 高校生のころ料理に興味を持つ。仙台市の調理師専門学校を卒業して上京。イタリアンレストランで料理人を約2年務めたが、店が閉店してしまう。そんなころ飲食業関係者の紹介で「ラ・ロシェル」の求人を知った。

 同店のオーナーシェフは「フレンチの鉄人」の異名を取る坂井宏行さん。採用が決まり、半年間の研修として接客業務に就いた藤本さんだったが、仕事の奥深さに新たな興味がわき「せっかくロシェルに入ったからには、接客を徹底して身に付けよう」と決心した。

 国内有数の人気店だけに、身だしなみや歩き方、言葉遣いなどに細心の注意を払う。また、デート中のカップル、ビジネスを絡めた会食、団らん中の家族など、それぞれの場面に合った雰囲気も大切だ。積み重ねた知識は、どんな状況でも対応できるように活用してこそ意味を持つ。

 「お客さまから指名され『あなたの選ぶワインで食事をしたい』と言っていただけると、この仕事ならではのやりがいを感じますね」とニッコリ。いつかは独立して自分の店を持ちたい。最終的には青森に店を構えられたら…。地道な努力の先に、無限の夢が広がっている。

我慢強さ 北国仕込み

 日常生活では、青森県出身者であることをあまり意識しないというが「強いていえば、北国生まれは我慢強いのかな」と藤本さん。一般的に飲食業界は、仕事の厳しさや上下関係の厳格さから離職者も多い。「自分はやめたいと思ったことはないですね。性格的に前向きというか…。あと、結構酒が好きなんですが、これも青森の県民性かも」