全身脱毛サロン「KIREIMO」を展開する(株)ヴィエリスの代表取締役社長・佐伯真唯子さん。撮影/徳永徹 (C)oricon ME inc.

 渡辺直美を起用したTV CMでおなじみの全身脱毛サロン「KIREIMO(キレイモ)」。創業からわずか5年で全国に60店舗以上を展開、大手ひしめく脱毛業界でその存在感を高めている注目サロンだ。そんな「KIREIMO」の運営会社(株)ヴィエリスを率いる若き女性社長、佐伯真唯子さんにインタビュー。従業員数わずか7名だった無名のベンチャーが躍進した理由、女性が長く働ける理想の組織を作るための取り組み、そして今後の展望について話を聞いた。

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■女性が活躍する職場と働きやすい職場はイコールじゃない

――今年3月に、ヴィエリスの代表取締役社長に就任されましたが、これまでの経歴を教えていただけますか。

【佐伯真唯子】 大学卒業後、大学のグループ企業に企画事務スタッフとして入社しました。その当時にプライベートで通っていたエステサロンの女性スタッフが、妊娠しても、お子さんがいてもキラキラ輝いて仕事をする姿を見て、「私もこんなふうに女性が活躍できる職場で働きたい」と思い、23歳の時に美容専門学校に入学して、卒業後はエステサロンで5年ほどエステティシャンとして働きました。

――当時から経営に興味を持たれていたんですか?

【佐伯真唯子】 エステティシャン時代は、まったく考えていなかったですね。29歳のとき、ご縁があって脱毛サロンの運営会社に転職した頃から、徐々にゼロから自分の望む形で組織を作りたいと思うようになりました。

――それで、ヴィエリスに創業メンバーとして入社されたんですね。当時、美容業界でとくに改善が必要だと思ったのはどんなところですか?

【佐伯真唯子】 一番は離職率の高さですね。外から見ていたときには、美容業界は“女性が活躍できて働きやすい職場”だと思っていたんですが、実は想像以上に激務で。結婚や出産、子育てしながらでは働きにくい環境だったんです。そこで、「女性が活躍する職場と働きやすい職場はイコールじゃない」と気が付いて。

■働く女性に寄り添った取り組みで離職率が半減

――過去の経験を踏まえて、ヴィエリスでは、女性が長く働ける環境作りにも注力されてきたそうですが、具体的にはどんな取り組みを?

【佐伯真唯子】 時短正社員制度の導入や、産休・育休の充実、女性管理職の比率の向上はもちろん、様々なことにチャレンジできる環境も提供しています。人事もトップダウンで決めるのではなく、まず本人の希望を聞き、それに会社としてできる限り応えるようにしているんです。店舗スタッフの研修や食事会などに参加すると、自主的に「私、○○がやりたいんですけど」って言ってきてくれる方もたくさんいるんですよ。

――上司、ましてや社長に自分の意見を言えると聞いただけで、とても風通しのいい環境だということがわかります。

【佐伯真唯子】 変わったところでは「人を誉める文化」も定着させました。社会人になると、怒られることはあっても、ほめられることが滅多になくなりますよね。そこで全社のタイムラインに、「○○さんがお客様からこういうメールをいただきました」とか、当事者はもちろん、周りも「自分ももっとがんばろう」ってモチベーションがあがるようなトピックをどんどん流してもらうようにしたんです。

――そうした取り組みの成果はいかがですか?

【佐伯真唯子】 離職率に関して言えば、私が考えていた業界平均の半分以下になりました。確実に成果は現れていますが、個人的にはもっと下げていきたい。そのためにも、企業側が働く人達にもっと寄り添って、現場の意見を取り入れた組織作りをすることが大切だと思っています。

――組織としての取り組みとあわせて、個人的に欠かせないルーティンがあるとうかがいました。

【佐伯真唯子】 ヴィエリス創立当時から、5年間やり続けているんですが、それは、毎晩寝る前に「KIREIMO」のツイートや、その日、コールセンターに届いたご意見すべてに目を通すこと。そうすることで、お客様の声がちゃんと現場にフィードバックされているのか、私たちのサービスが自己満足になっていないか、振り返りができるんです。

■目の前の壁は高ければ高いほど楽しい

――それにしても、30代で1600人を超す社員を抱える立場となったプレッシャーは相当なものがあるのでは?

【佐伯真唯子】 プレッシャーがまったくないといったら嘘になりますが、それ以上に毎日、楽しく充実しています。想定外のできごとを解決するためにトライするのも楽しいし、社内外問わず、一緒に働くみなさんとご縁がつながることも嬉しいし。しんどいなーと思うのは二日酔いのときぐらい(笑)。家事は夫婦で分担していて、「やれる方がやる」というスタンスなので家庭との両立も苦じゃないですね。

――お話を伺っていると、チャレンジすることがお好きなのかなと思いました。

【佐伯真唯子】 そうかもしれません。目の前の壁が高ければ高いほどやりがいを感じます。。どうすればこの壁を乗り越えれるか、ああでもない、こうでもないと考えをめぐらせ、皆でその壁を乗り越える事が楽しいです。。失敗することだって、もちろんありますよ。「なんで気づかなかったんだろう」とか「繰り返さないためにはどうしたらいいかな」とか、すごく反省はしますけど、落ち込んだり、引きずったりすることは極めて少ないです。

――昨年からSDGs(国連で採択された17の持続可能な開発目標)の推進にも積極的に取り組まれているとか。

【佐伯真唯子】 女性が長く働ける理想の組織を目指す一企業の代表としてSDGsのひとつである「ジェンダー平等(女性と女児に対するあらゆる差別をなくすこと)を実現しよう」という考えに共感し、SDGsの認知度をアップするためのお手伝いを社内外で積極的にさせていただいています。

――昨年、ニューヨークで開催された「2018国連ニューヨーク本部SDGs推進会議」にも参加されたそうですね。

【佐伯真唯子】 働く日本人女性初のスピーカーとして登壇させていただくというとても貴重な機会でした。第1回「ハッピーウーマンアワード」にも選出していただき、大変光栄に思っています。今後も女性が働きやすい組織作りやSDGsの推進には、積極的に取り組んでいきたいと思っています。

■2年以内に顧客満足度も従業員満足度も「日本一の脱毛サロン」に

――この春、新社会人になられたみなさん、働く女性の方々に伝えておきたいことはありますか?

【佐伯真唯子】 やりたい仕事や目指す肩書きなど、自分なりの目標があるのなら、それを達成するまでは、逃げずにやりきってほしい。この先、友達のほうがお給料が高いとか、あっちのほうが楽しそうとか、いろいろな誘惑があると思いますが、まずは決めた目標をやりきること。先のことは、それから考えればいいんです。

 もう1点、女性の働きやすい環境というのを勘違いしてほしくないということ。女性のライフスタイルが変わっても働けるように弊社でも時短正社員制度の導入や、産休・育休の充実を図っていますが、それは「頑張らなくてもいい制度」とは違うんです。女性がより活躍できる社会にするためにも、「働きやすい」ということを、自分の都合のいいようにとらえないでほしいな、と思います。

――最後に、「KIREIMO」の、今後の展望を教えてください。

【佐伯真唯子】 当社は今年でまる5年を迎えます。「KIREIMO」を立ち上げたときから、売上だけでなく、顧客満足度もそして従業員満足度も「日本一の脱毛サロン」になることを目標としてきました。、2年以内には「日本一の脱毛サロン」となるよう、様々な事にチャレンジし続け実現したいですね。